台湾高地の美麗アゲハ 1 - ホッポアゲハ -

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台湾中部にそびえる奇萊山群(標高3000M)

 

 ホッポアゲハは、2000mを越える高地だけに生息する台湾特産種の一つです。世界中のカラスアゲハ類の中でも、日本のミヤマカラスアゲハと並んでトップクラスを誇る美しい蝶ですが、カラスアゲハ類特有の俊敏な飛翔力と、構造色の微妙な角度により、翅表はどうしてもアンダーになりがちで、深いブルーの輝きを見た目通りに写すのはかなり難しいようです。

 初めて台湾で蝶の撮影をしたときは、この蝶の発生初期に当たり、非常に新鮮な♂と、特に美麗な春型♀を撮影したのですが、それ以後はまったくいいチャンスに巡り合うことができませんでした。

 台湾に出かけるたびに、今度こそ綺麗な姿を写したいものと意気込むのですが、発生期のタイミングが合わず破損個体ばかりだったりで、撮影自体はできるものの、思うようなきれいな写真が撮れませんでした。

昨年9月、秋に出るスギタニイチモンジの♀を探しに出かけたとき、ホッポアゲハの姿を見かけ、それなりの美しさを撮影することができました。

 

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この場所では、ちょうどタイワンソクズの花期に当たり、数頭のホッポが吸蜜に訪れていた。

 

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ほんの少しカスレがあるものの、美しさにほれぼれしてしまう。

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これは同じ♂。

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後翅の赤い紋がカラスアゲハ類の中では突出して発達する。

これはオスだが、メスでは、赤紋列が2段になり非常に鮮やかで目立つ。

 

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翅を開いたところに順光があたって、この蝶の本来の輝き・・・と思えるショット。

 

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雲一つない青空を飛び交う。

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これは新鮮な♂。ホッポにしては赤い紋列が控えめの個体。


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この♂も新鮮だったが、翅を全開したタイミングとしては、もう少しこっち側に背を向けて欲しかった。笑