初秋の河原で - ミヤマシジミ -
某温泉に出かけた帰り道、途中の河川敷に立ち寄って河原に棲む蝶を撮影しました。ミヤマシジミは、今の時期は2度目の発生期を迎えるころで、新鮮な姿が見られます。
この蝶も例にもれず、年々生息域が失われているようです。長野北部に住む友人が、その方のフィールドではこの数年衰退が激しく、今年は全く姿が見えなくなってしまったと落胆していました。
私が出かけた場所は、何度か豪雨による増水の被害に晒されながらも、なんとか生き延びているようでホッとしています。
河原のゴロゴロと石ころが続く草原で、青いシジミが飛び出しました。
ミヤマシジミのとても新鮮な♂。
ヒメシジミよりは若干大きめで、翅全体に丸みがあり、表面は混じりけのない美しいブルーです。
イタドリの赤い茎と白い花、目の覚めるような青。
食草コマツナギで吸蜜する♂
翅の表面はヒメシジミと同じですが、翅を縁取る黒い線が細く、青色の範囲が広くなります。
マメ科植物特有の複雑な構造をした花に背後から口吻を差し込んで吸蜜。
ミヤマシジミ♀。
食草コマツナギの花とこの蝶の取り合わせは、ギフチョウとカタクリ、クモマツマキチョウとミヤマハタザオ、クロアゲハとヒガンバナなどのように数ある蝶と花の組み合わせの美しさとならんで、最も美しい情景の一つだと思います。
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オオフタバムグラで吸蜜
植物に詳しい方に教えて頂きましたが、この花は、オオフタバムグラという外来植物で、近年、関東以南の河川敷や砂地に進出して、カワラヨモギやカワラノギクなどの在来の河原植物を駆逐しかねない困った植物ということです。
この花にはミヤマシジミのほかに、同じ河原の生息環境を共有するシルビアシジミやツマグロキチョウも好んで吸蜜に訪れていました。蝶たちにとっては好都合な植物というわけでしょうか。(;^_^A