採集圧のもとで - ヒメギフチョウ3 -
これを撮影したのは、かつてはヒメギフが多産していたポイントで、昨年までは殆ど生息が絶えたと思われていた場所です。
トウゴクサイシンやカタクリが勢いよく生育できる適度の日陰を提供していた大木が皆伐され、裸になった地面にはササ類が繁茂してしまいました。3年振りに発生が確認できたこの日、この個体を撮影し終わって帰る途中、大きな捕虫網を持った人とすれ違いました。棲息環境の悪化に耐えて、わずかな個体が辛うじて生き残っている場所ですが、いまでもここに出かけて採集する人は後を絶たないようです。
フィールドを変えて、もっと個体数の多いポイントへ移動。
ここには、毎年県外から入れ代わり立ち代わり採集者がやってきます。
ヒメギフの発生ピークは早くも過ぎつつありますが、そんな中でもたった今羽化したばかりのような初々しい♂。
羽化して翅を伸ばし、十分に日光を浴びて活動を開始する最初の吸蜜は、蛹化して10か月もの忍従の季節を耐えてきた蝶が飢えを満たすように、じっくりと時間をかけることが多いようです。
撮影もこの時が最大のチャンスです。
広角で飛翔撮影の練習。(クリックで拡大表示できます)
交尾も。
産卵。
この日は、県外ナンバーの採集者を二人見かけました。
採集されてしまう前に、何度か産卵したのでまずは一安心。