ベルベットの風合い - カラスアゲハ -
マルバダケブキで吸蜜するカラスアゲハ♂
ブログ主が勝手に「アゲハの天国」と呼んでいるフィールドがあります。
以前のブログで書いたことがありましたが、この山域一帯は、スギの植林地とコナラ主体の雑木が混在しています。スギ植林地の周辺にカラスザンショウがあちこちに生えていて、30年以上にもなろうかという大木も10本ほどあります。
暗い林内は一面コクサギが優占種となっていて、イヌザンショウや普通のサンショウもいたるところにあります。キハダも大木が何本かあり、若木の小規模な林もあります。
カラスザンショウとキハダは、野鳥の糞で拡散したと思われる実生が一面にはえている斜面があるなど、柑橘系を食べるアゲハたちにとっては天国のようなところではないかと思っています。
この「アゲハの天国」で、今年もカラスアゲハをはじめ、いろんなアゲハチョウを追いかけました。
今年初めて見かけたカラスアゲハの♀
後翅の青色部分が空色の非常に美しい個体でした。
同じ♀。カラスアゲハは個体変異に富み、写すのが楽しみです。
♂も変異が面白い。
このような一見ミヤマカラスアゲハと思うような、前翅に黄金色の帯を持った♂を今年も見つけました。
これが一般的によく見られる♂。
緑色の地色が美しいですが、通常、黄色帯は明瞭に発達しません。
後翅の赤い肛角紋の出方も弱い。
ミヤマカラスもどきの♂。
毎年こんな♂を見かけますが、後翅の赤い肛角紋が綺麗に出ることが多いようです。
ほかの地域のカラス春型をあまり見た経験がないので、よくわかりませんが、これは、この地域限定の変異なのでしょうか。
藤岡大図鑑には同じような変異の奥多摩産♂の標本がわざわざ掲載されているところを見ると、全国的にみてもあまり多くないのかもしれません。
このミヤマカラスもどきの♂が、吸蜜していた通常♂に急降下して絡んできた。面白い絵に。( ´艸`)
毎年のことではありますが、♀の複雑な美しさにも魅了されます。
青空のもと、アザミからアザミへと飛び移っていく。
後翅が鳥に無残に食いちぎられたと思われる♀を♂が追いかける。
2頭のジグザグ飛翔。