黒衣の賓客 - クロアゲハ -
林間の明るく開けた空をバックに。
仙台近郊では、カラスアゲハ・オナガアゲハ・モンキアゲハと並ぶ黒系アゲハの最普通種ですが、その黒いビロードの光沢や縞絣を思わせる黒と鼠色のパターンの美しさは、まさに大人の美と言えます。
晩夏の彼岸花のような赤・朱色系の花とのツーショットは、チョウと花の組み合わせの中でも際立って美しいものの一つではないでしょうか。
いつもは、カラスアゲハや、ミヤマカラスアゲハの華麗ともいえる美しい蝶を追いかけるあまり、ちょっと地味な感じがするクロアゲハをきちんと写す機会がないのですが、今シーズンはこの上品な黒衣の賓客を丁寧に写してみました。
春の朱色の花とくれば、ヤマツツジ。
クロアゲハとの組み合わせはやはり絵になります。
♀の春型は、後翅の肛角紋が発達してとても華やかです。
この♀は、赤紋はあまり出ていませんが、粉砂糖のような白い鱗粉が発達した見栄えのする個体でした。
真っ黒な♂。まさしく黒衣ゆえの気品が感じられます。
♂にも、しばしばこんな粉砂糖を散らした美しいものを見かけます。
♂が♀に求愛。
でもこの♀は交尾済みと見えて、♂を避けるため高く舞い上がっていきます。
♂があきらめて求愛行動をやめるまで、この♂と♀はもつれるようになって羽ばたき続けていました。