信州へ 2 タカネキとクモマベニなど

 7月下旬の上高地
 今の季節、標高2000m近い谷筋のお花畑には高山蝶が舞っているいるはず。
 翅裏の白い線が高山の雲を思わせるクモマベニヒカゲと、高山蝶の中でも最も数が少ないと言われるタカネキマダラセセリに会いに、また今年もこの地にやってきました。

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2015/07/25  西穂高岳から奥穂高に続く山稜。


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クモマベニヒカゲ 2015/07/25  上高地岳沢
同じ場所に棲む近縁のベニヒカゲにはない後翅の白い帯、両翅の白い縁毛が、厳しい環境に棲む生粋の高山蝶の証しです。

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クモマベニヒカゲ 2015/07/25  上高地岳沢
クガイソウは高地に棲む多くの昆虫たちの格好の蜜源となっていました。


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クモマベニヒカゲ 2015/07/25  上高地岳沢
クモベニは、キリンソウなどの黄色い花も好むようです。


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         クモマベニヒカゲ 2015/07/25  上高地岳沢
         逆光に透けるクガイソウの葉が逆さにしたコウモリ傘のように見える。
         明るく隈どるような背後の光が蝶を浮き上がらせてくれた。



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タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢
去年の同じ時期、♂はすっかり飛び古していたが、今年は新鮮だった。

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         タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢

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タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢
そぅっ~と近づいてクローズアップしてみた。
日本産セセリの中では、カラフトキマと並んで最も模様が美しい。

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タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢
この蝶も、クモベニと同様、クガイソウの紫色の花が好きなようだ。

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         タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢

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タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢
マルハナバチとツーショット
クガイソウの紫色とグリーンの虹のような背景が蝶の黄色と黒の翅を浮き立たせてくれた。

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         タカネキマダラセセリ 2015/07/25  上高地岳沢
         タカネキが吸蜜している花をめがけて、エイリアンみたいなハナカミキリも飛んできた。

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タカネキマダラセセリ  2015/07/25 上高地岳沢
あまり数は多くないが、ハクサンフウロにもやってくる。
あでやかなフウロの花で吸蜜するタカネキを撮影できてラッキーでした。

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タカネキマダラセセリとクモマベニヒカゲ  2015/07/25 上高地岳沢
卵から蝶になるまで二冬を過ごし、3年目にやっと羽化してくるのが、正真正銘の高山蝶といえます。
その正真正銘の二種が、仲良く同じ花で吸蜜。

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タカネキマダラセセリとクモマベニヒカゲ  2015/07/25 上高地岳沢
2頭が仲良く並んだかと思えば、片方が飛びだし、また同じ花に戻ってくる。
それを交互に何度か繰り返して、最後にはタカネキ一頭だけとなった。

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タカネキマダラセセリ  2015/07/25 上高地岳沢
こちらは♀。非常に綺麗なピカピカの個体が目前に現れて、しばらく日光浴をしてくれた。

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2015/07/25  高山に棲む生き物たちのフィールドには峩々たる岩稜が連なる


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ベニヒカゲ♂  2015/07/25 上高地岳沢
こちらはベニヒカゲ。
北アルプスのベニヒカゲを見たのは非常に久しぶりだった。

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ベニヒカゲ♂  2015/07/25 上高地岳沢
同行のNさんの足元にもぞもぞと出て来たそうですが、まさしくたった今羽化したての個体かもしれません。

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ベニヒカゲ♂  2015/07/25 上高地岳沢
しばらく翅を伸ばして十分翅脈が固まったと見えて、ふらふらと飛んでいった。



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カラスシジミ♀  2015/07/25 上高地小梨平
高山の撮影場所から上高地に降りてみると、近くのオオイタドリの白い花に数匹が来ていた。

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           カラスシジミ♀  2015/07/25 上高地小梨平
  普通はなかなか出会うことが少ないカラスシジミだが、小梨平にはニレノキの大木が沢山あるので、姿をよく見かける。

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ウラゴマダラシジミ   2015/07/25 上高地小梨平
下界ではとっくに飛び古しのボロ個体しかいないが、ここはさすが冷涼な気候のせいか、新鮮な♂の姿が。

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ウラゴマダラシジミ   2015/07/25 上高地小梨平
渓流の脇をよく見ると、ミヤマイボタがあちこちに生えていた。
今年、仙台でこの蝶を追っかけた割に、結局は♂の写真を撮ることが出来ず、もう今年は諦めていたのだったが、こんなところで出会えるとはね。