ヤブ漕ぎの先に  - オオゴマシジミ -

 この夏も、オオゴマシジミに会ってきました。
 ゴマシジミ撮影の帰途、同行のFさんと一緒に、胆沢川の源流に近い沢筋に入ってみました。
 車道から藪を抜けて50mほど下降し、広い沢に出てから、さらに上流に200m河岸を遡上した先に、クロバナヒキオコシの群落がありました。
 この周囲で、数頭のオオゴマが現れましたが、全く止まることなく飛んでいるので、撮影はできず。
 午後遅い時間になってしまったこともあって、一枚の画像も撮ることなく撤退することになりました。涙;

 数日後、昨年のポイントに向かいました。
 相変わらずのヤブ漕ぎ・・・・ 汗
 苦心惨憺の末、ポイントに着くと前年のクロバナヒキオコシの群落の一つが沢の土砂崩壊で壊滅状態になっていることが判りました。
 それでも、大規模な群落を下敷きにしてしまった新しく堆積した土砂の上に、早くもクロバナヒキオコシの実生が沢山生えていて、この草の崩壊地への適応という性質がよく判ります。
恐らく、来年はこの場所もクロバナヒキオコシの若く新しい群落に覆われるのではないでしょうか。

 仕方なく、残った群落の方に行くと、数頭のオオゴマシジミがいつものように飛んでいました。
 ところが、熱波のような暑さが続いていたこともあり、午前中に飛んでいたオオゴマは11時前後になると、ピタリと飛ぶのを止め、姿を見せなくなってしまいました。
 そして、午後2時過ぎ、ときおりチラチラと飛んでは藪のどこかに姿を隠してしまいます。
 そんなわけで、炎天下一日中ポイントで粘っていても、シャッターチャンスは少なくて、あまり満足のできる絵が撮れない未消化な気分で帰路に着きました。

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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
崩壊地の上に実生した食草の葉上に止まった。
午前中はこうした低い食草の上に来ることが多いようだ。

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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
♂が♀を探して、背丈を越すほどのクロバナヒキオコシの藪を飛ぶ。

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      オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
      ♂は♀に比べてかなり小型。♀はヒメウラナミジャノメぐらいの大きさです。

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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
♀探索パトロールの合間に、空中に突き出た食草の葉上で羽を休めて♀を見張る。



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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
東北のオオゴマは特に♀は黒化する傾向がありますが、このオスは明るい色合いです。
翅表も綺麗な青ですが、藪の中で照度が暗く、シャッタースピードを落としたため、動体ブレで、翅の色がイマイチすっきりしないのが、ちと残念。


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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
綺麗なブルーが見えたが、なかなか翅を開いて止まってくれません。
仕方なく飛翔を狙いました。

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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
新鮮な♂。
今年は、新鮮な個体と、飛び古した個体が混在していましたが、鮮度の落差がいつになく大きいように思えます。


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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
この新鮮な♂の飛翔を狙ってみましたが、止まる位置が高くて翅表が写ったものは撮れずじまい。
でも、翅裏の白と黒の斑紋がよく出ました。

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オオゴマシジミ♂ 2015/08/06 岩手県水沢市
食草の上で翅を広げた♂に、別の♂が絡んできた。
2頭そろって翅表が写った数少ないショットの一枚ですが、藪の中なのでちょっと暗め。
そのため、青色がいまいち綺麗に出てません。
鮮やかに撮るのはなかなか難しいもんですね。汗;;

この蝶のシーズンが終われば、はや秋です。
次のねらい目は、秋のタテハ類でしょうか。