遅ればせながら・・・ゼフ、やっと出ました

 今年の仙台のヒメギフチョウは、記録的に早かった昨年より、さらに1週間も早く発生しました。
 新潟・山形のギフも早くて、今年は全般に蝶たちの発生が早いものと思っていました。
 ところが、ゼフ類の発生は逆にかなり遅れています。

 昨年は、オオミドリやアカシジミは6月3日が初見でした。
 今年のアカシジミの初見は6月11日。
 自宅ベランダからアカシジミが夕暮れに飛ぶ初夏の風情を楽しみにしているのですが、今年はなかなか姿を見せず、やきもきしていました。
 どの蝶も年ごとの発生量に変動があり、仙台の場合は梅雨時の低温(仙台湾から冷気が入り込む)が続いた翌年は、発生数が極端に少なくなります。
 去年は、ミドリヒョウモンやクジャクチョウなどの普通種の数が極端に少なかったのですが、その前年はカラ梅雨だったので、これはまた別の原因かと思われます。
 春先の蝶はとても早く発生したので、ゼフの姿が見えないのが不思議な気がしていたのですが、昨年より1週間以上遅く出現しました。

 栗の花やイボタの開花時期も昨年より遅れているようです。
 山形のチョウセンアカシジミも、新潟ではかなり早く発生しているという話を聞き、昨年より数日早めに出かけてみたら、発生のごく初期と思われ、新鮮なメスを一頭撮影できただけでした。

 
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チョウセンアカシジミ♀ 2016/06/07 山形県川西町

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チョウセンアカシジミ♀ 2016/06/07 山形県川西町

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チョウセンアカシジミ♀ 2016/06/07 山形県川西町
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チョウセンアカシジミ♀ 2016/06/07 山形県川西町

 今年のゼフ撮影目標の一つは、ウラゴマダラシジミ
 毎年、出会いのチャンスが少ないうえに、見かけてもすぐに飛ばれて数ショットしか撮れなかったり、飛び古したメスとかだったりで、いまだに満足のいく写真が撮れていません。

 一昨年北海道に行ったとき、たった一本しか見つからないイボタに沢山のウラゴがいたり、上高地でも観光客の雑踏の中でごく普通に飛んでいるのを見たり、ベニモンカラスを待っていた南信濃でも結構飛んでいたりで、よその場所では全然珍しい蝶ではないようですが。
 仙台ではなかなか簡単には写せない蝶の一つです。

 雨上がりの曇り空の午後、いつも夕暮れに飛ぶポイントに出かけてみると、盛んに木の梢を飛んでいるのが見えました。こんなウラゴはとても写せません。
 それでもなんとか、遠くに小さく飛ぶ姿を何枚か写してみました。 


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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区

お天気が回復し、厚い雲に切れ目ができて、あたりに日が当たり始めると、
それまで飛び回っていたウラゴたちは木の葉の上に止まるようになりました。
やっと、じっくり撮影できるチャンス到来!

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区
非常に新鮮。
いつも飛び古した個体ばかりだったので、こんな綺麗なウラゴを仙台で見たのは初めてのような気が・・・。笑

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区
薄青い翅の表が少し覗いている。

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区
裏面は白っぽい部分が目立ち、とても清新な感じがします。

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区


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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区
栗の花でしばらく吸蜜したあと、ねぐらへ向かう♂。

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区
翅表の全体が見えた。

イメージ 9ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区

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ウラゴマダラシジミ♂ 2016/06/17 仙台市青葉区
葉上でくるりと姿勢を変えた時に、一瞬、翅を開いてくれた。


 この蝶が飛ぶポイントは、イボタを交えた雑木林に囲まれた空間で、ブッシュが腰の高さほどもあり、茨が混じっていて、撮影はとても大変なところですが、じっくりとウラゴを撮影できて、待っていた甲斐がありました。

 やっと仙台も、ゼフの季節到来です。