ご当地・・・ その1

よく巷で、ご当地グルメとか、ご当地ソングという風に使われる「ご当地」とは
「その土地特有の、また、その地域独特 のという意を含んで使う語」だそうです。

そこで、今回は「ご当地ヒメシジミ」。
ヒメシジミは場所によっては多産するものの、決してどこにでも見られるという蝶ではないと思います。
とはいえ、本州中部以北(ほかに中国山地・九州の一部)を中心に広く生息していますが、それほど飛翔力が強いとは思われないチョウゆえに、各地それぞれの地方変異があって興味の尽きない蝶の一つです。
ただ、アサマシジミやゴマシジミのような希少さがわずかに足りない分、あまり熱心な変異研究者やマニアの存在を耳にすることはないようです。

あちこち歩き回っていると、目的の蝶の近くにこのヒメシジミがいたりして、ついでに撮影する機会も多くなります。
他の蝶の撮影の折に、ついでに撮りためたヒメシジミの写真も貯まりましたので、各地の変異を比べてみるのも面白いかと思います。

今年は7か所でヒメシジミを撮影しました。
まずは北海道と東北から。



山形県・川西町
 2016/06/07

イメージ 1
アサヒ型と似たような綺麗な♂。

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

時期的に新鮮なこともあると思いますが、今年撮影した南東北の3ポイントの中では最も青みが明るい、綺麗な個体群だと思います。
東北はクロヘリ型が優先的な変異型と言われますが、ここの個体群にはクロテン型(2枚目の画像)も結構な割合で混じるようです。
中には1枚目のような赤紋のなかに青い鱗粉が入るアサヒ型のような珍しい個体も出るようです。



福島県三島町
2016/06/13

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

ここの個体群は、青に赤系の紫色が混じるものが多いようです。
個体数も非常に多く、足元にまつわり付いているという印象さえ感じるところもあります。
典型的なクロヘリ型。




仙台市泉区
2016/06/21

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11

イメージ 12

イメージ 13

山形と福島の中間的な青味と紫。
3地点の中でももっとも大人しく、地味な印象の個体群。
クロヘリ型がほとんど。
個体数が少なく、上記2地点のような場所によって多産ということがありません。
宮城県の県北に行くほど個体数も発生場所も少なくなって、稀な蝶になります。



北海道・遠軽町
2016/07/18

イメージ 14

イメージ 17

イメージ 15

イメージ 18


イメージ 16

今年撮影した7ポイントのヒメシジミの中で、もっとも青く輝く美しい個体群。
ほぼ例外のないクロテン型。
北海道でも、特にオホーツク方面の寒冷な場所にいくほど美しくなる傾向があるようです。
面白いのは、ボロボロに飛び古した個体と、この写真のようなピッカピカの個体が入り混じっていること。
長期間にわたり、ダラダラと発生が続くようです。


「ご当地ヒメシジミ」 次回につづく