カラスアゲハの奥深い魅力

 5月に入って、あちこち歩き回っていると、写真が溜まってきて、ブログの更新が追い付きません。汗;
 ずるずると更新をさぼっているうちに、季節外れもいいところになってしまいそうです。

 大急ぎで、とりあえず身近なカラスアゲハの写真をアップしておきたいと思います。

 仙台市近郊の低山地帯には、コクサギやカラスザンショウ、イヌザンショウが至る所に生えています。
 そのため、これらを食べるアゲハ類も繁栄をきわめていて、クロアゲハ、オナガアゲハ、アゲハチョウ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、モンキアゲハが今を盛りと咲き誇るツツジに次から次へと吸蜜に訪れます。

 カラスアゲハは、ミヤマカラスアゲハほどの派手さはないものの、落ち着いた色調と日の当たり具合や、見る角度によって美しい玄光を見せるところなど、どれほど写しても興味が尽きません。
 とりわけ、複雑な色の変化を見せるの撮影は、光や翅の傾き具合でその精妙な色合いを出すのがとても難しいですが、うまく出るとこれほど美しいものはないと思います。

 残念ながら、今年も今のところ思うようなの写真が撮れていません・・・涙。
 ツツジがうっそうとした杉林の空間に植栽されているため、日陰になることが多く、また日当たりの良いところでは背後の暗い空間とのコントラストの落差が大きかったりで、なかなかこの蝶が持っている本来の美しさを撮ることができないのが悲しいところです。 汗; 要は、写真の腕がイマイチってことですが。わは 汗;

カラスアゲハ♂ 2017/5/22 仙台市太白区
今年もいつものツツジにやってきた♂。
標準的な個体のなかでも、やや青みが強く美しい方。

カラスアゲハ♂ 2017/5/22 仙台市太白区
これは、ごく標準的なカラスで、全体に黒っぽい感じがする。

カラスアゲハ♂ 2017/5/28 仙台市太白区
出始めの頃から、半月以上たってもこの場所ではまだまだ新しいカラスアゲハが羽化してきます。
この地域全体に、一体どれほどの数がいるのでしょうか。
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カラスアゲハ♂ 2017/5/23 仙台市太白区
私が今年撮影した中で、最も青く輝く美しいオス。


しかし、なかにはもっと綺麗な♂がいることを教えてもらいました。

カラスアゲハ♂ 2017/5/17 仙台市太白区 (坂本さん撮影)

カラスアゲハ♂ 2017/5/17 仙台市太白区 (坂本さん撮影)
まるで、ミヤマカラスアゲハかと見まがうかのように美しく輝く個体です。
この美麗なカラスアゲハを撮影されたのは、いつもこの地域を散策して、目についた植物や生き物を撮影しておられる坂本さんとおっしゃる方です。
坂本さんに無理をお願いして、写真の掲載をご快諾いただきました。
坂本さん、どうもありがとうございました。


一方、こちらは、私が数ある日本の蝶の中でももっともお気に入りの一つ
カラスアゲハの春型♀です。

カラスアゲハ♀ 2017/5/22 仙台市太白区
緑から青、紫とグラデーションで色が変わっていく幻想的な美しさが♀の特徴。

カラスアゲハ♀ 2017/5/22 仙台市太白区
植栽されたツツジに吸蜜に訪れた。
暗い杉林の空間のため、シャッタースピードが1/400秒で、翅の動きがブレていますが、一層幻想的な色合いに写りました。
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カラスアゲハ♀ 2017/5/21 仙台市太白区

カラスアゲハ♀ 2017/5/23 仙台市太白区
変わった色合いの♀がいました。
後翅の前縁が、普通の♀は青色と紫の混合色で、青色が強い色合いとなりますが、この♀は完全な紫色です。

カラスアゲハ♀ 2017/5/23 仙台市太白区
ちょっと暗めに写ったので、このメスの変わった綺麗さが出ていません。汗;

カラスアゲハ♀ 2017/5/23 仙台市太白区
赤紋も大きく、まるでオキナワカラスアゲハか、奄美大島にいるカラスアゲハの♀みたいな感じ。
カラスアゲハの個体変異は、じつにさまざまで興味が尽きません。

カラスアゲハ♀ 2017/5/28 仙台市太白区

カラスアゲハ♀ 2017/5/28 仙台市太白区
アザミの咲く明るい草原のカラスアゲハのメスも、日を浴びて美しい。
前翅の細かな緑色のグラデーションがとてもシブイですね。
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これから、初夏の原野にはモンキアゲハも姿を現し、アゲハの季節はクライマックスを迎えます。