北海道 続き2 - カバイロシジミ -

 北海道の同好者の方から、カバイロシジミは、北海道特産種のなかでも、最近とりわけ撮影しにくい蝶になったということを聞きました。
 オホーツクに面した原生花園などの安定した発生地を除けば、これといったポイントを特定しにくく、そうしたポイントでも一日数頭を見つけられる程度、ということです。
 昨年の蝶友・Fさんのように、ご家族との観光旅行の傍ら、簡単に撮影できてしまったという幸運な方もおりますが、私にとってこのカバイロシジミは、過去、何度も北海道に出かけて、旭山など何か所かの有名ポイントを尋ねたものの、どうしても会うことができなかったチョウの一つです。

 そんなわけで、新鮮なウスバキチョウとともに、今回の大きな撮影ターゲットでもありました。
 事前のリサーチでは、なかなか有力なポイントが特定できず、絞り込みに難渋しましたが、結局は事前に調べていたポイントと、偶然に見つけた場所の計3カ所で、この蝶に会うことができました。

カバイロシジミ♀ 2017/06/29 遠軽町
遠軽で、農家に生えているスモモを見つけて、エゾリンゴシジミを探していると、畑の脇に生えたヒメジョオンにヒメシジミにしては大型の白っぽいシジミを見つけました。
良く見ると、なんとこの辺りでは予想もしていなかったカバイロシジミでした。

カバイロシジミ♀ 2017/06/29 遠軽町
翅を半開きにしました。♀のようです。
青い地色に、太く黒い縁取り。サイズはちょっと違いますが、ルリシジミの夏型♀によく似た色合いです。

カバイロシジミ♀ 2017/06/29 遠軽町

         カバイロシジミ♀ 2017/06/29 遠軽町

     カバイロシジミ♀ 2017/06/29 遠軽町
     今朝ちょうど羽化したばかりの様子とみえ、たどたどしい飛び方で葉の上に静止しました。

カバイロシジミ♂ 2017/06/29 遠軽町
これは♂。
事前に調べていた遠軽町の別の場所で見つけることができました。

カバイロシジミ♂ 2017/06/29 遠軽町
ヒロハクサフジの花で吸蜜。
ヒメシジミもこの草で発生するので、しばしば混生することが多い。

カバイロシジミ♂ 2017/06/29 遠軽町
翅を全開するチャンスを待っていましいが、結局これが最大。

カバイロシジミ♀ 2017/07/01 札幌市
北海道滞在の最終日、なんと札幌市内の某所でこの蝶を発見!
北海道中を散々探し回ったあげく、結局一番盲点みたいな札幌市街地の草地にもいました。

カバイロシジミ♀ 2017/07/01 札幌市
ここにもヒロハクサフジの群落がありました。
道東のカバイロとは少し色合いが異なり、全体に黒っぽい感じがします。

カバイロシジミ♀ 2017/07/01 札幌市
まだ展開していない新芽に産卵。

           カバイロシジミ♀ 2017/07/01 札幌市
           卵を産み終えて飛び立つところを狙ってみました。


            カバイロシジミ♀ 2017/07/01 札幌市
           産卵の合間に、黄色い花で吸蜜。閉じた翅裏の斑紋がシンプルで美しい蝶です。