疎林の草原で - キマダラモドキ -

 雑木林に囲まれたススキの草原に、またキマダラモドキが姿をみせてくれました。
 この蝶と付き合い始めたのは3年前。
 過去の記録には何度も出てくるものの、なかなかお目にかかれずにいたのが、偶然真夏の炎暑を避けるようにして雑木林のなかに飛び込んだ♂を見たのが始まりでした。
 その年以来、毎年のように姿を見るようになったのは、眼が一度見たものは認識しやすいというパターン認知の変化で、当方の眼がキマダラモドキを見つけやすくなった、というわけなのでしょうか。
 今年は、ほかの蝶と同様に、いつもより10日ほど早くお目見えしました。

 なにせ東北では、この蝶とムモンアカシジミが出てしまうと、その年の大半の蝶は出尽くしに近くなり、あとの楽しみは第2化か3化(今年は3化が盛大に出そうな気がします)のアゲハ類や冬越しのタテハ類、ヤマトシジミの青♀ぐらいになってしまいます。
 こんなに早く季節が進んでしまうと、オフ・シーズンも早く来て、来年の春までの間が長いだろうなと、いまからげんなりしそうです。笑;

雑木林と草原の境目に現れたキマダラモドキの♂
一年ぶりの出会いに胸が躍ります。

そおっと近づいて、アップショット。
人の気配にとても敏感なところは、オオヒカゲによく似ています。
この蝶を撮影するときは、目立たぬ地味な服装で、決して大きな動作をしないことが肝心。


人の気配に警戒しながらも、やがて、木の根元にやってくる

この蝶は、なぜか地上1mぐらいのところに好んで止まるようです。

樹液の臭いにひかれて次第に食堂へと近づいてきました。

食堂にはこんな先客たちも来ています。

別のオスもやってきました。

         先客の♂ともつれ合ってススキの原っぱで卍巴飛行。

あまりよくピントも合っていませんが、オス同士の追っかけシーンを写すチャンスは少ないので、無理やり乗っけてみました。笑

追っかけが終わると、また食堂へ戻ってきた。

この♂は時々翅を開くが、タイミングが合わずことごとく失敗。
飛び画像でなんとか・・・汗;

林内は薄暗くて光量が不足がちですが、ちょっと無理をして羽ばたきが止まるシャッターで写すことができました。

灼熱の太陽がやっと傾き始めたころ、この蝶も落ち着いて樹に休んでいます。
逆光で黄色に透けるトラの模様がとても美しい。
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