シーズン最後の楽しみ - ムラサキシジミ -

 今日、仙台でも初雪が降りました。
 例年より9日も遅いとのこと。
 今年は、春先から気温の高い日が多く、7月・8月は異常な高温が続きました。
 おおくの蝶たちも、昨年より10日から1週間以上も発生が前倒しとなり、撮影の時期もそれにつれて早く始まり、早く終わることになりました。


 毎年、年末が近いシーズンの最後の楽しみは、冬越しをするムラサキシジミを探すことです。
 翅を閉じて止まった姿は、枯葉模様で、秋の景色に溶け込んでいますが、秋の陽光を浴びて翅を開くと輝くような紫色が見事で、この紫色をどれだけ綺麗に写せるかが大きな楽しみとなります。

 今年は、個体数は例年通りですが、あまりタイミングに恵まれず、これはといったいい写真がなかなか撮れずに日にちが過ぎてしまいました。
 消化不良な気分ではありますが、雪も降る時節となり、そろそろムラサキシジミの撮影もひと段落付けることにしました。

この秋、最初に見つけた越冬世代の♂。
とても新鮮です。

この♂が現れたのは、周囲にまったく常緑のカシがない落葉樹ばかりの低山。
コナラで発生したもののようですが、笹を除けば越冬に適した常緑の葉を茂らせた植物がほとんどない場所なので、無事越冬ができるかどうか、ちょっと心配。

自宅近くのシラカシの発生地で。
非常に綺麗な♀。
翅の角度で、虹色に色合いが変わって見えました。

今年はシロダモの花が見事に咲きました。
このシロダモの黄色の花に何頭ものムラサキシジミが吸蜜に飛来してきます。
この個体は、裏の斑紋が発達して特に目につきました。
色は濃いですが、まるでルーミスシジミみたいに斑紋がくっきり。
総状に細かい花が咲いているので、同じ姿勢のまま10分以上も同じ場所で吸蜜していました。

飛翔を狙うも、全く動かないので根気勝負となります。
ひたすら待ち続けて、やっと花から飛び上がったところを写すことができました。

ひとしきり吸蜜すると、ちょっと飛んで近くの葉上で羽を開き、日光浴。

十分に体が温まるとまた別の花へと飛んでいきます。

      背景がきれいに抜けました。

気温が20度近くまで上がった日は、地上に降りて吸水する姿もよく見かけますが、
秋枯れの地面や葉に紛れて、一度目を離すと姿を見失ってしまいます。

地上の草地に降りて、日向ぼっこをすることも多い。

美しい♂が地上近くに降りてきて、翅を開いてくれました。
紫色の構造色を反射している鱗粉のグリッドを丁寧に写し込んでみました。
(クリックで拡大)

ムラサキシジミの季節が終われば、今年のシーズはいよいよ終わりとなります。
これから当分の間、今年撮影しながらこのブログにアップしていなかったものを中心に掲載していくつもりです。