花の楽園 月山のギフチョウ

 月山山麓ギフチョウは、全国的にも知られていて、雪解けの遅いこの辺りでは、6月に入っても新鮮な個体がみられるので、毎年のギフチョウシーズン最後の楽しみに、全国から採集者が訪れます。
 しかし、最近では環境の変化もあり、かねて知られていたポイントでは個体数の減少が著しく、一日に数頭しか見ないことも多くなりました。

 ブログ主が毎年出かけるポイントは、同好者にはまったく知られていない個体群で、規模はそれほど大きくはありませんが、毎年相当数が安定して見られます。何より、仙台近郊のヒメギフのように県内・県外を問わずやってくる採集者の影を見ながらイライラさせられることもなく、蝶と共に野にいる幸せを満喫することができます。

 ブッシュで人が立ち入れない尾根筋にコシノカンアオイが豊富に生育していて、開けた空き地にはカタクリが文字通り、足の踏み場もない程密生しています。土壌が肥えているためか、一株当たりの花茎と花数が多く、株立ちも立派で、仙台周辺のカタクリより大ぶりの見事な花が、群落をなして咲いています。
 ギフチョウたちが次々に訪れ、群生するカタクリの花に埋もれるようにして、お腹一杯吸蜜する姿を見ていると、こちらも豊かに満ち足りた気持ちになります。
 まさしくここは、ギフチョウたちの天国とも言える場所だと思っています。

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羽化したばかりで、まだ翅が伸び切らない♂に、別の♂が盛んにちょっかいをかけていた。
交尾を仕掛けようとしていたが、交尾器が合わず、結局は離れてしまいました。

ここのポイントでは、ユキツバキにも吸蜜に訪れることがあります。

♀の飛跡。
運よく、今回も、一度の連射で9ショット以上にピントが当たりました。
見た目すっきりするように、1枚おきのショットを使って合成してみました。