羽化 - ウラキンシジミ -

 5月にウラキンシジミのポイントで見つけた幼虫を4頭、自宅に拉致してきました。笑
 この発生地では、食樹が密生して生えているものの、これまでウラキンシジミがいるのを見たのは、数えるほどしかありません。記録によると、ここは、かなりの数がみられたところのようです。
 最近でも、少数の姿を見ることはありますが、なにぶんにも、このウラキンというやつは、あたりが薄暗くなる午後5時半過ぎ、午後6時から7時ごろが活動のピークになるような蝶なので、うす暗い中で結構な速さで飛ぶこの蝶を撮影するのは、ほぼ不可能と言っていい程です。
 したがって、この蝶を撮影できるのは、日中にたまたま視界に飛び込んで近くに止まった時、地面に吸水に降りたとき、吸水後、近くの藪の葉の裏に静止しているのを見つけたとき、などの偶然によるものばかりです。
 
 私は、そもそも野外で蝶の幼虫や卵、蛹などを見ることはあっても、よほど希少なチャンスや、ものでない限り拉致してくるということはしないのですが、今回は、ウラキンの綺麗な個体を見てみたいという気になったので、4頭を自宅に連れ帰ったというわけです。
 前蛹直前の終齢幼虫なので、恐らくほとんどが寄生されている可能性もありましたが、1頭は、容器の狭い隙間から脱出したようで、行方不明となり、蛹化した3頭のうち、1頭は、早々と寄生バチが出てきました。(;^_^A
 残り2頭のうち1頭が先日羽化。
 最初に出てきたのは、美しい♀でした。
 残り一頭は翅が透けて見えてきたので、今日中に羽化するかもしれません。
 
デワノトネリコの葉を食べて、蛹になるまで数日を過ごします。
 
シジミチョウ科に特徴的な、いわゆる草鞋型の体形
 
まるでセイウチみたいな可愛らしさ。
眼のように見えるのは、実は目ではなく、アリに甘露を提供する蜜腺。
これでアリを誘い、身を守ってもらうと言われています。
 
この幼虫が降下した葉に、やはりアリが数匹たかっていました。
勿論、自宅に来るときにはアリ君には遠慮していただきました。笑
 
無事蛹に。
 
 
蛹になって25日目で羽化。
大きく綺麗な♀でした。
 
 
    鮮やかな黄色が美しい。
 
 
 
この♀は、撮影後自宅裏の山林にリリースしました。
ここにもウラキンがいるので、ここで♂と出会って次の世代を産んでくれることでしょう。
 
 
1頭の蛹が、蛹化した時点で一部黒化していました。
寄生が疑われました。
 
この蛹から出てきた寄生バチ。
名前はわかりません。汗;
触角が通常のハチに比べて、非常に長いのが特徴です。