盛夏 1 - キマダラモドキ -

 やっと梅雨が明けました。
 霧雨や重苦しい曇天で、5月初旬並みの涼しすぎる気温が7月中続いていましたが、やっと青空が戻ってきました。
 気分も晴れやかに・・・と言いたいところですが、今度は連日30度を超す熱波の毎日。
 どうも、気温の変化が極端すぎて、体がついていきません。
 熱中症に配慮しながらも、なるべくエアコンを使わないようにして、まずは体をこの暑さに慣れさせようと心がけています。

 この暑い夏に好んで出てくるのが、キマダラモドキ。
 それも、うだるような猛暑の日中に活動を始めるんですから、よっぽど暑いのがお好きと見えます。もしや、熱帯由来の蝶なのかと思えば、これがそうではなく、極東アジアだけにいる蝶で、その近縁の仲間たちは多くは中国中北部・ヒマラヤ山脈北部からシベリアにかけての旧北区に生息の中心があるようです。つまり、どちらかと言えば、冷温帯の蝶みたいです。
 冷涼な地域に棲み、夏のもっとも気温が上がる時に繁殖活動を行う蝶として進化してきたわけなのでしょうが、最南端の棲息地日本では、生活圏が高原とはいえ、最近では東南アジア並みの猛暑のなかで活動をする羽目になった、というのがキマダラモドキのたどった道ではないでしょうか。笑
 近年、全国的に非常に数が少なくなっているのは、温暖化の影響かも知れません。

柳の樹液にひかれて、今日もこの小木にやってきました。

午後の強烈な日差しにあぶられても元気に飛び回ります。

ポイントの林にはあちこちに樹液の出る木がありますが、これもその一つ。

一見仲良くジャノメチョウと並んで吸汁しているようにみえますが・・・

樹液を独り占めしようと、一回り大きいジャノメチョウを威嚇します。

ジャノメチョウに飛びかかっていきました。

相手の上に無理やりのしかかって、追い払おうとします。

翅を全開にしてもがくジャノメチョウ

ジャノメチョウが飛び去るまで、執拗に周りを飛び回り、何度も襲い掛かっていました。

樹液を独り占めした後、満足げに休憩するキマモ君。
斜めにかかる強烈な西日に、黄色に透けるトラ縞と、縁毛の逆光に浮き出る様子がなんとも美しい。