初夏の青 - ヒメシジミ -

 

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ことしは全般に蝶の発生が早めですが、ヒメシジミも5月下旬には出てきました。

 ブログ主が仙台でこの蝶を追いかけるようになって、5月に発生したのは初めてです。蝶によって、遅い早いがあるようで、うちのベランダからチェックするアカシジミは例年とほぼ同じでした。

 この蝶が出れば、仙台も初夏です。

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この♂を撮影したのは、昨年とは違うポイントですが、ここの個体群は紫色のダークな色彩のものが多いように思われます。
写真右下に写りこんでいる2個の卵は、恐らくキアゲハの卵です。

(ヒメシジミがいる場所は、多くの場合ヨモギに交じってヤブジラミが混生していますが、図鑑などによると、キアゲハはこのヤブジラミも食べるようです。ヤブジラミはせり科ですが、か細い植物なので、キアゲハのような大きな蝶の食草になるとは意外です。)

 

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↑↓ これは驚きの♂。

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この2枚の写真を、撮影地を伏せて見せれば、恐らく多くの人はアサマシジミと断定するのではないでしょうか。

東北でアサマシジミが見つかったとなれば、日本の蝶界は大騒ぎになることでしょうが(笑)残念ながら、これは数多くあるヒメシジミの個体変異の一つと考えられます。

この場所では、ほかにもこれと同じようなアサマもどきを見かけました。

 

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ちなみに、これは典型的なヒメシジミ♂の裏面。

 

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羽化して翅を伸ばしている♂に、やはりちょっと先に羽化したばかりの美しい♂が求愛していた。 クリックで拡大



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食べ終わった空の弁当箱に関心を示す♂。

何回か戻って来ては、弁当箱の上を飛びました。

黒い弁当箱に横たわった白い箸に反応しているものと思います。笑

待ちピンでパシャ!!

 

 

 

 

 

しんがりのアゲハ - モンキアゲハ -

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仙台近郊ではすっかり定着して、この10年ほどの間に、クロ・カラス・オナガと同じぐらいの普通種と言っていい程の数が見られるようになりました。

発生の順番は、黒系アゲハのなかでは一番しんがりで、この蝶が出てきたらそろそろ初夏の蝶たちがでてくるシーズンです。

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車横付けの発生地。
この山域は、カラスザンショウが豊富に生えていて、モンキはこれを食べています。

 

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堂々たる体躯。
ナガサキアゲハがまだ姿を現さないこのフィールドでは、蝶の王者、といった風格を感じます。

 

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斜めの光で、翅裏の翅脈がくっきり。

胴体の白線と翅脈のパターンが見事に一体化しています。

 

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マアザミの野原で悠々と飛ぶ

 

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モンキ♂に、クロアゲハが求愛しにやって来た。

 

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黒衣の賓客 - クロアゲハ -

f:id:OTTOmustache:20210606192155j:plain林間の明るく開けた空をバックに。

 

 

 

 仙台近郊では、カラスアゲハ・オナガアゲハ・モンキアゲハと並ぶ黒系アゲハの最普通種ですが、その黒いビロードの光沢や縞絣を思わせる黒と鼠色のパターンの美しさは、まさに大人の美と言えます。

 晩夏の彼岸花のような赤・朱色系の花とのツーショットは、チョウと花の組み合わせの中でも際立って美しいものの一つではないでしょうか。

 いつもは、カラスアゲハや、ミヤマカラスアゲハの華麗ともいえる美しい蝶を追いかけるあまり、ちょっと地味な感じがするクロアゲハをきちんと写す機会がないのですが、今シーズンはこの上品な黒衣の賓客を丁寧に写してみました。 

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春の朱色の花とくれば、ヤマツツジ
クロアゲハとの組み合わせはやはり絵になります。

 

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♀の春型は、後翅の肛角紋が発達してとても華やかです。

 

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この♀は、赤紋はあまり出ていませんが、粉砂糖のような白い鱗粉が発達した見栄えのする個体でした。

 

 

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真っ黒な♂。まさしく黒衣ゆえの気品が感じられます。

 

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♂にも、しばしばこんな粉砂糖を散らした美しいものを見かけます。 

 

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♂が♀に求愛。

でもこの♀は交尾済みと見えて、♂を避けるため高く舞い上がっていきます。

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  ♂があきらめて求愛行動をやめるまで、この♂と♀はもつれるようになって羽ばたき続けていました。

ベルベットの風合い - カラスアゲハ -

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マルバダケブキで吸蜜するカラスアゲハ♂

 

 

 ブログ主が勝手に「アゲハの天国」と呼んでいるフィールドがあります。

 以前のブログで書いたことがありましたが、この山域一帯は、スギの植林地とコナラ主体の雑木が混在しています。スギ植林地の周辺にカラスザンショウがあちこちに生えていて、30年以上にもなろうかという大木も10本ほどあります。

 暗い林内は一面コクサギが優占種となっていて、イヌザンショウや普通のサンショウもいたるところにあります。キハダも大木が何本かあり、若木の小規模な林もあります。

 カラスザンショウとキハダは、野鳥の糞で拡散したと思われる実生が一面にはえている斜面があるなど、柑橘系を食べるアゲハたちにとっては天国のようなところではないかと思っています。

 

 この「アゲハの天国」で、今年もカラスアゲハをはじめ、いろんなアゲハチョウを追いかけました。

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今年初めて見かけたカラスアゲハの♀
後翅の青色部分が空色の非常に美しい個体でした。

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同じ♀。カラスアゲハは個体変異に富み、写すのが楽しみです。

 

 

f:id:OTTOmustache:20210602083813j:plain♂も変異が面白い。

このような一見ミヤマカラスアゲハと思うような、前翅に黄金色の帯を持った♂を今年も見つけました。

 

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これが一般的によく見られる♂。

緑色の地色が美しいですが、通常、黄色帯は明瞭に発達しません。

後翅の赤い肛角紋の出方も弱い。

 

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ミヤマカラスもどきの♂。

 毎年こんな♂を見かけますが、後翅の赤い肛角紋が綺麗に出ることが多いようです。

 ほかの地域のカラス春型をあまり見た経験がないので、よくわかりませんが、これは、この地域限定の変異なのでしょうか。

 藤岡大図鑑には同じような変異の奥多摩産♂の標本がわざわざ掲載されているところを見ると、全国的にみてもあまり多くないのかもしれません。

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このミヤマカラスもどきの♂が、吸蜜していた通常♂に急降下して絡んできた。面白い絵に。( ´艸`)

 

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毎年のことではありますが、♀の複雑な美しさにも魅了されます。

 

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青空のもと、アザミからアザミへと飛び移っていく。

 

 

 

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後翅が鳥に無残に食いちぎられたと思われる♀を♂が追いかける。

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2頭のジグザグ飛翔。



 

 

今日から6月です

一年でもっとも多くの蝶たちが出てくる季節になりました。

5月まで撮り貯めた写真が未整理のままです。(;^_^A

早いところupしておかないと、季節外れになってしまうので、少々焦ってます。

 

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電光石火 - アオバセセリ -

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青緑に輝くビロードの光沢。

 

 いつものポイントで1週間以上も待機していたのに、今年はさっぱり姿を見せません。この場所はあきらめて、友人から聞いた別のアオバの発生地で撮影しました。
 この場所では、ミツバウツギが数本しかなく、その周辺で発生したアオバセセリはこの数本めがけて舞い降りてきます。
 この蝶の飛ぶスピードたるや、文字通り電光石火。目にもとまらぬ速さで、動体視力がとみに落ちたロージンは目で追うのは大変です。
 数がそこそこなのはいいとして、やっと花に来たと思っても、オスが他の個体を見つけると猛然と追い回し、ピント合わせに手間取っているうち、あっという間に飛び去ってしまいます。(;^_^A
 
 それでも、何とか撮影にこぎつけることができたのは、有難い限り。
 どの個体も新鮮できれいなものが多く、新緑の中を我が物顔に飛び回るアオバセセリの生き生きとした姿を満喫できました。

 

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いつもの高速シャッターではなく、スローで。
両翼の端がブレて、高速で羽ばたいている感じが出ました。

 

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口吻のゼンマイを解き、ホバリングしながら、花に近づく。

 

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吸蜜していても、近くを飛ぶ仲間に気づくと、猛然と追いかけます。

 

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この蝶を下から仰ぎ見ると、まるで三角翼のジェット機

 

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サーカスみたいに、上の花から下の枝へと飛び移る。

 

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とても新鮮な個体。
アオバセセリは飛ぶ力が強いので、ビロードの美しい翅も、鱗粉が剥げ落ちて擦れてしまいがちです。この美しさは、発生初期ならではのものですね。
( ↑ クリックで拡大)

羽衣のアゲハ - ウスバシロチョウ -


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空に溶け込んでしまいそうな透明な翅。
「羽衣のアゲハ」と呼びたいほど清楚で儚い感じがします。

 

 

5月に入っても、4月同様、例年より温暖な日が続いています。
ウスバシロチョウもいつもの年より2週間も早く飛び始めました。
夏のような日差しが差す中、何年かぶりに尋ねたフィールドでは文字どおり「ワンサカ」と言いたいほどのウスバシロチョウが飛び回っています。

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コンロンソウで吸蜜

白い花が大好きで、ハルジョオンとのツーショットが多いのですが、某友人が、外来植物ではない花との組み合わせで写真を撮りたいと言っていたことを思い出しました。

 

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この時期、ミツバウツギも花を咲かせます。
花を求めて小高い藪を越えて飛ぶ。( ↑ クリックで拡大)

 

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♂たちは♀を探すのに忙しい。
白い動くものを見つけると、急降下して絡んでいきます。
手前が♀。

 

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♂同士が卍巴にもつれ合うことも多い。

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時には、異種間の絡みも。
ヤマトスジグロ♂と。

 

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ハナアブのような小さな虫を追いかけることも。

 

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産卵のため、フキの葉の間や下をくぐり抜けて、地面すれすれを飛ぶ♀。