2020-01-01から1年間の記事一覧
今年、日本の蝶に関する最も胸が痛むトピックは、オガサワラシジミの絶滅というニュースでした。 環境庁が中心になって人工飼育繁殖を行っていましたが、数か所でリスク分散して飼育されていた個体群が時を同じくして、幼虫成育段階(脱皮不全)で次々に死滅…
3頭のムラサキシジミ 仙台周辺では、成虫越冬をするシジミチョウはウラギンシジミとこのムラサキシジミだけですが、関東以南では、ルーミスシジミ、ムラサキツバメがいて、面白いことに、ムラサキシジミ属の3種とも、集団を作って越冬する様子がしばしば観…
いよいよ秋も終盤。 初秋に逆戻りしたかのような小春日和の一週間に、また何度かムラサキシジミに会いに出掛けました。 高い樹上から、日差しが降り注ぐ地上に降り立ったメス。 気温の上昇とともに地表の水分を補給しに来るようですが、こんな膝丈ぐらいの高…
11月ともなると、めっきり朝夕の寒さが感じられます。 今年の秋は晴天の日が多く、自宅近くのムラサキシジミの発生地では、樹上から地面近くに降りてきて温かい日差しを浴びる姿が見られました。 綺麗な♀。 ヤマノイモの葉上で日光浴しては、近くの日向に…
パールの輝き。ヤマトシジミ♂ 秋も深まってきました。 この時期、野外で見かけるのはキタキチョウやタテハ類などの冬越しのチョウたちばかりで、霜降りの頃まで産卵を続けるツマグロは別として、つい先日までいた生き残りのヒョウモンたちの姿も見えなくなり…
だいぶ前に、ある友人からモンキチョウの黄色い♀の産卵か、交尾の写真が欲しいと頼まれました。 モンキチョウの♀は多くは白~クリーム色の個体が殆どで、モンキチョウの♂♀の性差の特徴の一つでもありますが、ごくたまに♂と同じ黄色のものがいます。♂と同じ色…
河原の3点セットの中で、最も早く出てくるのがシルビアシジミ。 ヤマトシジミと殆ど似たような発生サイクルなので、4月下旬には春型が出てくるようです。以前、私が春に同じ場所でシルビアを撮影したのは、5月上旬でした。 その頃には、ツマグロキチョウ…
ミヤマシジミ、シルビアシジミ、ツマグロキチョウなどは礫石がごろごろと堆積しているような荒地の草原に食草が生えているため、同じ場所で見られることが多いようです。名付けて河原の3点セット。 今回出掛けた河原はその代表的な場所と言えるかもしれませ…
某温泉に出かけた帰り道、途中の河川敷に立ち寄って河原に棲む蝶を撮影しました。ミヤマシジミは、今の時期は2度目の発生期を迎えるころで、新鮮な姿が見られます。 この蝶も例にもれず、年々生息域が失われているようです。長野北部に住む友人が、その方の…
7月以来、記録的な酷暑が続き、冬越しのタテハたちの行動にも大きな影響が見られました。クジャクチョウは、6月にはかなりの数が見られたので、今年は大発生かと思ったら、暑さのせいで活動を休止してしまったようです。 いつもなら、8月中旬ごろから、多…
連日、うだるような炎暑が続きます。 最近は、ブログ主もさすがに熱中症が心配になる歳で、こんな時は標高の高い、涼しい場所に出かけてしまうのもいい暑さ対策になります。 いつもなら、今の時期、エルタテハやキベリタテハの姿が見られるはずですが、高原…
久しぶりに、ベニヒカゲを写しに行ってきました。 7月の長雨・低温にもかかわらず、例年と同じように発生していました。 ただ、現地に行ってみて驚いたのは、毎年毎年この蝶が発生する標高が高くなっていることです。10年ほど前までは、この場所では標高1…
今年も奥羽山脈の渓谷に深く入って、一年ぶりにオオゴマシジミに対面してきました。6月以来の多雨、日照不足と低温続きで、今年の発生時期の見極めは難しかったのですが、結局昨年と殆ど変わらぬタイミングで羽化が始まっているようです。 ムモンアカシジミ…
やっと昨日、久しぶりに一日晴れ間が見えました。約一か月ぶりです。 真夏のオレンジといえば、ムモンアカシジミ。 他の蝶が軒並み発生が遅れている中で、今年は、ミヤマカラスシジミ同様、いつもより早めに出てきました。 羽化したてほやほやの♂ これはやは…
今日で7月が終わりです。 まだ梅雨が明けません。やっと8月の来週から太陽が見られるようです。 近年にない長梅雨と低温ですが、過去にもなんどかこのような夏がありました。 こうした長梅雨と低温の年の翌年は、蝶の発生が目立って少なくなる、という記憶…
今年もヒメジョオンにいつものお客様がお出ましです。 例年なら7月中旬頃から現れますが、7月初めにもう出てきました。 今年は、他の蝶は10日から一週間ほど遅く出ているのですが、それぞれの種の都合があるのでしょう。笑 雨が続き、ヒメジョオンの花に…
7月も下旬だというのに、まだ梅雨が明けません。 先週は20度に達しない日も連日でした。 そんななかでも、蝶の季節はどんどん進み、もう真夏の蝶の姿もちらほらと。 樹高15mはありそうなヤマハンノキの幹に静止していたキマダラモドキ♂ ズームで寄ってみ…
今年は梅雨らしい雨の日々が続きます。 この数年、空梅雨が多かったので、この時期に出てくるミドリシジミ類の撮影には恵まれましたが、今年はさっぱりです。姿はあちこちに見えるのですが、明確なテリトリーを張って、同じような場所で入れ代わり立ち代わり…
毎年、アサマシジミの撮影が楽しみです。 なにせ、中部地方だけで東北にはいない。発生地が急速に失われている。ブルー御三家(ヒメシジミ・ミヤマシジミ・アサマシジミ)のなかでも、味のある独特の青色。地域変異の多彩さ・・・に魅了されます。 近年ます…
今年の6月は、前半が盛夏、後半は梅雨寒。 始めは、この暑さがこれからずっと続くのかと考えるだけでもう汗だくになりそうなほどでしたが、中旬以降は曇り空の日が多くなり、今週は20度を下回るほどの気温になりました。 それでも、木々の緑は濃く、林間…
ゼフィルスの季節となりました。 今年のアカシジミの初見は、6月5日。昨年は5月28日でしたので、一週間以上遅い羽化です。 6月に入ってからは、真夏日がしばしばあるほど暑い日が続きますが、なぜか例年に比べ、個体数が少ないように感じられます。 特…
梅雨入り前の、青空がまぶしい初夏の草原。 昨年に一週間以上も遅れて、ヒメシジミが発生し始めました。 この蝶に関しては、不思議に思うところが色々あります。 福島会津のキマダラルリツバメが生息するような場所にいる場合は、しばしば大量の数が見られま…
初夏の新緑が目に美しい季節となりました。 ススキの草原では、ギンイチモンジセセリがその愛らしい姿を見せ、新しい若葉が日々茂りゆく木漏れ日の草藪ではウスバシロチョウがゆっくりと飛び回っています。 ギンイチモンジセセリ たった今羽化して、翅を伸ば…
今年は、4月の寒の戻りが長きにわたったせいか、記録的な暖冬の翌年にもかかわらず、蝶たちの発生が遅いようです。 ギンイチモンジセセリを撮影しに行った高原で、まだ新鮮なベニシジミの春型を見つけました。今年は外出自粛というわけで、どこへも出かける…
この時期、アゲハ類が舞う草原はマアザミが花盛り。草原の縁には半日陰を好むトウゲダケブキも黄色い花をつけています。この草原では出現時期が重なるカラスアゲハやクロアゲハ、モンキアゲハ、オナガアゲハなどが入り乱れて吸蜜しています。若干時期がすで…
前回に引き続き、カラスアゲハ。 カラスアゲハの魅力は、とりわけ♀の個体変異の多様性にあります。前翅のチャコールグレーに緑色を重ねた地色。見る角度や光線によって、ほとんどビロードの黒に近いダークなものから、緑色が強く出た明るいものまで地色の変…
初夏に向かって季節は進み、ウスバシロチョウやギンイチモンジセセリの最盛期となりましたが、ブログ主はまだカラスアゲハを追っかけています。 カラスアゲハの面白いところは、とにかく個体ごとに微妙に色合いが違うこと。 特に♀は一頭ごとに違う地色とグラ…
世間は新型コロナで騒然としていますが、季節は移り、黒いアゲハたちの賑わう青葉のシーズンになりました。 アキリデスと呼ばれる、カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの春型の♀を今年も撮影出来ました。 カラスアゲハ♂ 花は野生のヤマツツジ。 遠くの場所か…
先日、この時期に仙台では見慣れない蝶を見つけました。 そいつを追っかけて、ハルジョオンに止まったのを見ると、なんとツマグロヒョウモン!それも♀でした。昨冬の暖冬で、仙台でも冬越しできてしまったようです。 例年ならば、温暖なところで越冬した個体…
今年もまたヤマツツジの朱色の花が、近郊の山を彩り始めました。 このツツジの開花にシンクロするようにして飛び交うのがミヤマカラスアゲハ。 恒例とはいえ、メタリックな青い輝きを放つこの蝶を目にするたび、心が躍ります。 ミヤマカラスと入り混じって飛…