夏の終わり - キベリタテハ -

夏の終わりを飾るキベリタテハ。
チョコレート・青紫・黄。
何度見ても、この色の取り合わせの良さにほれぼれします。
こんな3つの補色を纏って粋に装うのは、一体何のために、どんな必要があってのことなのか、一度この蝶に聞いてみたいものです。
 例年なら、8月中旬から姿を見せるのですが、今年は8月の初旬にはすでにすり切れた個体がいたそうで、7月中旬には発生していた模様です。

 一時の酷暑も少し穏やかに感じられる一日、いつものキベリタテハのポイントで待機しました。
 現地についてまもなく、一頭の綺麗な♀がお出ましに。


ダケカンバとミズナラに囲まれた空き地で
クジャクチョウやエルタテハなどの近縁種に比べると一回り大きく、迫力がある。
飛び方はその大きさの割にはのんびり。


3色の相補的な色が互いに映えて美しい

開けた空間のちょっとした岩の上にもよく止まる。
午後の強烈な日差しのもと、チョコレートと青色がよく出ました。
が、黄色がだいぶ飛び気味に。汗:

ダケカンバの樹皮に止まっていることが多いが、これは五葉松。

数回羽ばたいては、水平に翅を開いて滑空する、タテハ類特有の飛翔スタイル。

近接距離で、このような大きなタテハチョウの飛翔を撮るのは、意外に難しい。
翅にうまくピントが当たると頭部はボケボケ。汗;
山のようなピンボケ画像の中から、ぎりぎり許容範囲の一枚。

強烈な直射日光でややオーバー気味。
これももっと絞り込むべきでした。

大きな岩にとまったので、飛び立つのをじっくりと待つ。
一回の連射で6枚の合焦ショットが撮れました。
あとはいつものお遊び合成。笑
 

 山の稜線に涼しい風が吹き渡るころには、山麓に移動してしまうので、私の撮影ポイントで姿を見ることができるのは、晩夏の酷暑の一時期だけです。
この美しい蝶を見かけると、連日の暑さが続いているとはいえ、いよいよ今年のシーズンは終わりに近いことが感じられて、一抹の寂しさを覚えます。