胆沢川の源流部 1

前回のゴマシジミに続いて、今度は同じアント・カウの仲間でもさらに大型のオオゴマシジミの住処を訪ねてみました。
東北では、この蝶は奥羽山脈の最深部の渓谷上部に生息しています。
わたしがオオゴマに会いに行くのは3年ぶりです。
なにせ遠いのと、車を止めたところからポイントまで徒歩で往復3時間もかかる場所で、一部ヤブ漕ぎの道なき道となり、しかも夏の一番暑い盛りの渓谷は湿度が高く、アブがわんさかまとわりつくという環境なので、出かけるのについ二の足を踏んでしまいます。
しかも、最近の東北の山はクマの出没が頻繁で、熊鈴をつけたとしてもいまいち不安感がぬぐえません。
オオゴマシジミが依存するクロバナヒキオコシという植物は、渓谷上部の崩壊地に生えるので、なんとしてもそうした人里から遠いポイントまで行くしかないのが辛いところです。
しかし、チョウ友の方々のオオゴマ撮影報告などを見たり聞いたりしているうち、つい自分でも久しぶりに胆沢川源流に生息するオオゴマの健在ぶりを確かめてみたくなりました。

ポイントに行くには、何度か渓流を渡渉しなければなりませんが、台風11号の影響による大雨で、渓谷の水勢が気になり、丸一日晴れるのを待って、やっと昨日出発しました。
ところが、お盆の帰省客で高速道路は大渋滞。
しかも事故が2か所もあり、麓まで行くのに4時間もかかってしまいました。
駐車場で昼食もそこそこに、山道に入ります。
1時間ほど急斜面を登ったところに沢筋の崩壊地があり、そこにクロバナヒキオコシの群落がありました。

過去にここではオオゴマを見かけたことがなかったので、ほとんど期待していなかったのですが、穂先にシジミにしては大きすぎる、ヒメジャノメを小振りにした感じの蝶らしきものが目につきました。
何か変なものがいると思ってよく見ると、なんとオオゴマシジミの♀でした。
あらら?オオゴマってこんなにデカかったっけ?と内心感じながら、そういえば3年ぶりに見る蝶だからな、と思いつつ、やはりこれは今までの記憶の中にはなかったほどサイズが大きいと再確認。

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オオゴマシジミ♀ 胆沢川源流部 2014/08/13
産卵行動

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オオゴマシジミ♀ 胆沢川源流部 2014/08/13

まだ形成間もない花芽に産卵しようとしています



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オオゴマシジミ♀ 胆沢川源流部 2014/08/13

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オオゴマシジミ♀ 胆沢川源流部 2014/08/13

図鑑の解説によると、東北から北関東にいるオオゴマは北海道や信州以西と比べて、サイズは大型となり、♂は青色部分が藍色となって輝きが強くなり、メスは黒化傾向となるとされています。


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オオゴマシジミ♀ 胆沢川源流部 2014/08/13
この♀のデカさに見合った、飛翔のドアップ (汗;)



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胆沢川源流の狭い河原 2014/08/13

渓谷にそそぐ沢筋に堆積した砂礫にクロバナヒキオコシやヒヨドリバナが群落を作っていた


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クロバナヒキオキシ 2014/08/13

花穂が出てくる盛夏のこの時期に同調して、オオゴマが飛び始める

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オオゴマシジミ♂ 2014/08/13


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オオゴマシジミ♂ 2014/08/13

メスを探して背丈1メートルを越える食草の間を縫うようにして飛び回る♂
気温が上がると一向に止まらないので、撮影に苦労します 汗;

つづく