ハロン湾のカワカミシロチョウ

前回からのつづき

ホーチミンから国内線で2時間、ハノイに到着してすぐにハロン湾へ向かいました。
ハロン湾は、「海の桂林」とも呼ばれる景勝地で、世界自然遺産にも登録されているそうです。
中国の桂林と同様に、古い時代にサンゴの堆積した石灰岩が、雨に削られて垂直の断崖をなした巨大な岩島となって海面から林立しています。その数2千以上ということです。
深い入り江の中に多数の垂直に切り立った島々が、湖のように静かな海面に浮かぶさまは、まさしく夢幻の墨絵の世界に入り込んだような気さえしてきました。
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   2014/12/31 ハロン湾 
愛機を構えてみる。
蝶を撮るだけではないんですよ。笑


この島々を巡る船に乗ってクルーズしていくのですが、途中とある島に立ち寄って、ハロン湾を一望できる展望台に登ることになりました。
40度近い傾斜のある急階段を登ると、展望台に着きます。

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2014/12/31 ハロン湾     
湾内の島に上陸。頂上の展望台にて。

その展望台周辺には、白っぽいヒメヒゴタイに似た花をつけた野草が沢山あり、目を凝らしてみていると、その花の間に白い蝶が飛んでいるのが目に留まりました。
非常に素早い飛び方で、やや小型のシロチョウです。
花に止まったところをなんとか撮影することが出来ました。
撮影した画像をじっくり見てみると、カワカミシロチョウでした。

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カワカミシロチョウ♂  2014/12/31              DMC-GH4 f/4.8  1/2000s ISO-800 45-174mm
前肢の先が尖って、いかにも俊敏な動きをする蝶のように思えます。

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カワカミシロチョウ♂  2014/12/31         DMC-GH4 f/4.8  1/2000s ISO-800 45-174mm
カワカミシロチョウはツゲモドキを食樹とし、八重山諸島以南から、東南アジア全域に生息しています。

ベトナム中部から北西部にはネロと呼ばれる、この仲間の最美麗種、ヤマザキベニシロチョウがいる筈ですが、もちろんこの辺りでは、その姿を見ることはできません。
でも、尖った前羽の形といい、素早い飛び方といい、トガリシロチョウ属の雰囲気は十分です。

展望台滞在も15分ほどと時間制限付きなので、わずかなチャンスをものにしなくてはなりません。
カメラを向けながら、祈るような気持ち(やや大げさ w)でシャッターを押しました。
これきりかと思っていたら、チャンスはもう一度やってきました。
今度は藪の葉の上に止まりました。

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カワカミシロチョウ♂  2014/12/31            DMC-GH4 f/5.6  1/3200s ISO-3200 45-174mm

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カワカミシロチョウ♂  2014/12/31            DMC-GH4 f/5.6  1/3200s ISO-3200 45-174mm

この蝶の撮影中、カメラの視角をセセリのようなものが横切って行きましたが、シャッターを押した後、周りを見てもその姿を見つけることが出来ませんでした。
結局、ハロン湾ではこのカワカミシロチョウだけが唯一の収穫となりました。

以下、つづく