メコン川の中洲で・・

前回からのつづき


ベトナム南部の第一の都市、ホーチミン市は統一前はサイゴンという名で呼ばれていました。
このホーチミン市から南西に1時間ほど移動して観光船に乗り、メコン川のクルーズを楽しみました。
クルーズの途中、広大なメコン川の中ほどにある中洲に立ち寄り、栽培している果樹園や養蜂の様子を見学しましたが、そこで15分ほどのお茶タイム。
自由時間はこれしかない!というわけで、お茶もそこそこに近くの民家や農園の周囲を歩いてみました。

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ナガサキアゲハ ♂ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/4.2  1/2000s ISO-400 45-174mm
今や関東から東北南部にまで分布を拡大しつつあるこの蝶は、東南アジアの諸国でも最も個体数の多い蝶ではないでしょうか。この♂のほか、有尾型の大型な♀の姿も見かけましたが、撮影することはできずじまい。
このほか、シロオビアゲハ、コモンタイマイも飛んでいました。

イメージ 1ジャノメタテハモドキ  2014/12/29               Canon PowerShot SX100 IS f/4.3 s1/1250 ISO-160 60mm
この蝶も、南西諸島から東南アジアにかけて広く分布している、もっともおなじみの種類の一つです。
この画像は、一緒に行った友人がコンデジで撮影したものをご厚意で掲載させていただきました。

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ルリモンジャノメ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/5.3  1/2000s ISO-5000 45-174mm
果樹園の農家の庭先でルリモンジャノメが素早く飛び回るのが見えました。
この蝶は台湾で初めて出会って以来、大好きな蝶の一つです。

ルリモンジャノメの食樹は棕櫚やヤシ。台湾以南の東南アジアに広く生息しています。
ジャノメチョウの仲間なのに、肝心のジャノメを欠き、その代わり、表面は前翅全面が紫色の玄光を帯び、後翅には、オレンジ色の帯状紋がありジャノメチョウとは思えない美しさです。
同じ環境に多い、ルリマダラ類への擬態ではないかと言われています。

このルリモンジャノメの美しさを写し止めたいものと、以前台湾に行ったとき、この蝶をかなり追い回しました。
止まるときは、必ず翅を閉じて、枯葉に擬態した地味な裏面しか見せてくれません。
ヒメウラナミジャノメやヒカゲチョウなどのように、翅を半開したり、全開するということがないので、この蝶の表翅を写そうと思えば、飛翔の瞬間を狙うしかありません、が、そもそもそれが大変難しい。w
ゼフィルスやムラサキシジミのように構造色の強烈なものは結構よく写真でも写ることが多いのですが、ルリモンジャノメは光の角度と、翅の角度が絶妙にマッチしないと前翅全面がギラリと紫色に輝いて見えません。

この場所でも、それなりに個体数は見つかるものの、落ち着いて止まっていてくれず、カメラの射程距離までそっと近づいても人の気配を感じてすぐさま飛び立ってしまいます。
時間もなく焦っているなかで、辛うじて止まったところから飛び上がる一瞬を撮影することが出来ました。
でも、残念ながら瑠璃色の構造色はよく出ていません。ガックリ・・・汗;

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ルリモンジャノメ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/5.3  1/2000s ISO-5000 45-174mm
止まった葉上から翅を全開して飛び上がったところ。つま先の白っぽい部分だけが辛うじてそれらしい色が乗った。

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ルリモンジャノメ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/5.3  1/2000s ISO-5000 45-174mm

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ルリモンジャノメ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/5.3  1/2000s ISO-5000 45-174mm
♂同士が追尾するところを置きピンで狙ってみました。
何枚か、2頭がピントの射程内に入ったショットがありましたが、やはり光の角度のせいで、紫の玄光は見えません。
涙;;

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ルリモンジャノメ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/5.6  1/2000s ISO-200 45-174mm
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ルリモンジャノメ 2014/12/29                       DMC-GH4 f/5.6  1/2000s ISO-200 45-174mm
民家の裏手に回ってみると、別の♂同士が追尾飛行をしていました。
下から見上げるので、翅の表面どころか、シルエットしか映らないのですが、この蝶の特有の形も捨てがたい美しさがあります。

以下、次回につづく