ハノイ市内の公園 3

ベトナム観光のついでに・・も今回で最後です。


冬は、四季がないとされる南国では乾季にあたり、観光にはいい時期ですが、生き物たちにとっては住みやすい時期とは言えないようです。この時期の蝶は、台湾でもそうですが、オープンランドの荒れ地や人間生活と密接にかかわった環境(人為的環境)で逞しく生きているようなものだけが主に活動しているように思えました。

ハノイ市内の公園で見かけた蝶はほとんどが沖縄や台湾でごく普通にみることが出来る蝶ですが、前々回のウスグロシロオビマダラのように、大陸まで来ないと出会えない蝶も当然ながらいます。
その代表とでもいいたいような蝶の一つが、トラフタテハです。



去年、カンボジアに出かけたときに、やはり同じ時期で蝶の姿がとても少なかったのですが、数回だけトラフタテハらしき水色っぽい、大型のタテハを目撃しました。
この時は、残念なことに結局撮影どころか、間近にチョウの姿をみることもかなわず、悔しい思いをしました。
ベトナムではハノイ以外ではさっぱり蝶の姿が見えなかったので、公園でこの大きな蝶がゆうゆうと花で吸蜜している姿をみて感激しました。
トラフタテハを撮影された方のブログなどを拝見すると、撮影は動作が機敏で難しかったと書かれています。
この公園の花壇に吸蜜に来ているトラフタテハはアカタテハやキタテハのような感じで穏やかに花の周りをタテハ特有の羽ばたきと滑空を繰り返しながら飛び回っていました。


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トラフタテハ  2014/12/31              DMC-GH4 f/5.3  1/2500s ISO-1250 45-174mm
西部ニューギニア周辺の島嶼からインドシナ、マレーシア、インドに至る東南アジアに広く生息。
分布が広いだけに、40ほどの亜種に細かく分類されていて、色合いも綺麗なブルーから鮮やかな茶色まで変化に富んでいるとか。

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トラフタテハ  2014/12/31              DMC-GH4 f/5.3  1/2500s ISO-1250 45-174mm
名前の通りトラ模様の独特な斑紋で、ほかに似たようなタテハはおらず、系統的にも少し変わった種類なのだそうです。
前翅の水色(半透明)の斑紋は、アオスジアゲハに似ています。
面白いのは、翅の先までこの半透明の斑紋が続いていること。初めてみたときは翅の先が破損している個体かと思いました。

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トラフタテハ  2014/12/31              DMC-GH4 f/5.5  1/2000s ISO-1600 45-174mm
オオムラサキ♂と同じぐらいのサイズで、タテハとしては結構大柄です。
目の前に飛んでくるとその大きさにドッキリ。

イメージ 3
トラフタテハ  2014/12/31              DMC-GH4 f/4.5  1/2500s ISO-1250 45-174mm
花から花へと飛び移る姿は、日本の中型のアカタテハやキタテハなどと同ですが、
明るい水色が目新しく感じられて、いかにも異国のチョウという雰囲気があります。


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トラフタテハ  2014/12/31              DMC-GH4 f/5.5  1/3200s ISO-1000 45-174mm
裏面は、また独特の色と斑紋。
翅表の水色の部分は、ウスバシロチョウみたいに向こうが透けて見えるほどです。



以上で、ベトナム旅行記は終わりです。