クロツがいない! 九州へ3
蝶撮影1日目にして、早くも3稀種の撮影をゲットしてしまい、他はこれら3種とは違って、ほとんどポイントは想定できているし、楽勝!・・と考えていたのが、クロツバメシジミ(略称・クロツ)。
北九州のクロツは、その独特な斑紋の美しさ、気品の良さから、いつかは撮影してみたいと念願してました。
タイワンツバメシジミは運悪く遭遇できないとしても、この九州クロツだけは絶対に見てみたいと思っていたほどです。笑;
北九州産は本州中部、本州西部とは違う個体群で、朝鮮半島の亜種と同じと分類する人もいます。
面白いことに、九州でも朝鮮半島に近い対馬、福岡、佐賀、長崎の玄界灘、西海の海岸部や島璵にだけ生息し、海岸部に生えるタイトゴメや、北九州にだけ生育するナガサキマンネングサなどを食草としているようです。
当初、ワンツやツマグロキ・シルビアを撮影した某島で、クロツも撮影できるつもりでいました。
強風や天候不順で撮影に予想以上に時間がかかったことと、当日何としても長崎市内まで戻らなければならず、
これから先でもいくらでも撮影できるはずだと考え、クロツ探しはしないままホテルにもどりました。
長崎滞在3日目は、長崎市内の森林公園で、ナガサキアゲハ、イシガケチョウなどの南国ならではのチョウを探して過ごしました。
そして滞在4日目。
島原半島の観光を兼ねて、半島内では唯一クロツが発生しているという、某低山をめざしました。
旅の連れには、歯痛を抱えながらも、わたしのクロツ探索に付き合ってもらうことに。笑
このポイントは、島原ネイチャーセンターの学芸員Nさんに教えてもらった発生地で、タイトゴメではなく、ナガサキマンネングサについている個体群です。
地元ではこのナガサキマンネングサが大切に保護されているという、撮影絶対確実ポイント・・・のはずでした。
2015/09/10 長崎県島原市
島原半島唯一のクロツ発生地から、島原湾を望む
天気晴朗、かつ波も穏やか。蝶の撮影には絶好のお天気に恵まれました。
ナガサキマンネングサ 2015/09/10 長崎県島原市
岩山の山頂で、暖帯照葉樹林の林床に食草を発見。
この植物自体が希少種で、長崎県の絶滅危惧種に指定されているそうです。
ナガサキマンネングサ 2015/09/10 長崎県島原市
薄暗い林床の巨大な岩に、隠れるようにして生育していました。
盗掘がひどく、既存産地の多くで数を減らしているらしい。
このポイントは、道の途中から踏みあと程度の痕跡しかなく、一般的な登山者は訪れないようですが、それでも株数は少なかった。
しばらく目を凝らして探すも、クロツバメシジミの姿は見えず。汗;
食草が少なすぎるのか、発生時期と合っていないのか・・・
クロツの姿を探しながらも、あたりを見るとヤクシマルリシジミがテリ張りをしている様子が見えました。
ヤクルリも今回のターゲットの一つ。
ヤクルリを撮影しながらも、肝心のクロツが一向に姿を見せず、帰着の時間も迫ってきました。
3時間ほど、山頂の岩崖を探し回ってもクロツの影が見当たらず、諦めて下山しました。
結局、この日はクロツ敗退。
翌日は、クロツ天国と言われる上五島を目指しました。
ここは、事前に町役場のYさんからクロツ・ポイントを教えてもらいました。
2015/09/10 長崎県新上五島町
島の高台からの展望
このポイントは、数年前までタイワンツバメシジミがいたという場所です。
しかし、今は観光客のため整地され、外来のスゲがまばらに生えるばかりで、シバハギは全く見えず。
ワンツも姿を消していました。
Yさんから教えて頂いたクロツのポイントは2カ所、自分で探した候補地は4か所。
島での時間は、移動時間も含めて6時間。
小さな島とはいえ、南から北のポイントへ移動するのに、2時間近くかかります。
往復、移動だけで4時間。ポイントで蝶を探す時間は2時間しかないというタイトなスケジュールでしたが、クロツは発生地さえわかれば、撮影は簡単。・・・のはずでした・・・・ 汗;
メノマンネングサ? 2015/09/10 長崎県新上五島町
海岸部へ向かう途中、路の両側に食草が沢山生えていた。
ここなら、クロツは間違いなくいる!と確信して目を皿のようにして探しましたが、飛ぶのはヤマトシジミのみ。
ヤマトの♀が飛ぶ姿はクロツとそっくりなので、紛らわしい。
仕方なく、北へ移動。
次のポイントでは、海岸の岩にびっしりとタイトゴメが生えていましたが、ここにもクロツの姿は見えません。
一体どうしたことでしょうか。
時期が良くない?
近くの民家や草地にはイシガケチョウが飛び、辺りの食草に産卵していました。
30分以上いても、クロツらしきものは飛びません。
しかたなく
更に北へ移動。
Yさん情報の絶対確実ポイントに到着。
しかし・・・・・そもそもマンネングサの類が見えない。
海岸の隅から隅まで見て歩いても
ここは、上五島町でも超有名な観光ポイントで、かなり整地整備が行き届いている様子。
どうも、タイトゴメの類は単なる雑草と見なされて排除されてしまったのかもしません。
移動、探索を繰り返すうち、刻々と帰着フェリーの時間が迫ってきます。
ぎりぎりまで探索をした後、ついに諦めて帰途に就くことにしました。
クロツ、5日目も敗退。 涙;;
九州クロツの中心的発生地と言われる島で見つけられないとは、ガッカリです。
そして、ついに仙台へ帰る日になってしまいました。
今回は、あこがれていた九州のクロツはダメだった、と落胆しながら、今度また必ず来るぞと無念の思いを飲み込みます。涙;
最後の日は、飛行機に乗るまで、長崎市内で軍艦島などの観光を予定していました。
しかし、これまで、当初目標の、クロツばかりでなく、クロセセリ、サツマシジミを撮影できていません。
クロツがダメなら、この九州普通種の2種ぐらいはなんとかクリアできないものかと、考えた末、長崎市内の「裏の畑」的な環境の住宅地周辺を観光名所探訪の合間に2時間ほど歩いてみることにしました。
たまたま、昔長崎市内でも発生していたことがあったというワンツのいたであろうような草地を地図でチェックしたものがあったので、その地図で適当な場所(どこでもよかった)を指定して、タクシーの運ちゃんに連れて行ってもらいました。
タクシーで降りたところは、長崎特有の傾斜地にびっしりと建てられた住宅地。
住宅地の背後に、ちょっとした畑などがあって、クロセセリやサツマがいてもよさそうな環境です。
しかし、ここでもアテが外れて、いるのはヒメウラナミジャノメとかクロヒカゲ・ナガサキアゲハ・ナミアゲハ・ヤマトシジミなど、本物の普通種のみ。
ナガサキアゲハ♀がミカンに産卵する様子などを撮影して、残り時間はあと30分ということで、傾斜地の住宅街を後にして歩き始めたとき、ふと足元で黒いシジミが2頭飛んでいるのが目に入りました。
黒いのが黒いのを追いかけている?
追いかけているのがヤマトの♂なら、青いはずだが・・・
ヤマトの♀同志で追っかけをする筈はないし・・・ え?・・・
なんだこれは・・と思ってその2匹を目で追っていると、片方が草の上に止まりました。
2015/09/12 長崎市
ヤマトの♀?
ヤマトの♀にしては前翅の先の角度がとんがり気味。
止まっている草を見ると、メノマンネングサでした。ううむ。
後翅が半分以上隠れ、翅裏も見えず、確認ができないまま、とりあえずシャッターを押しました。
これがヤマトなのか、それ以外の「ナニ」なのか判らずにいるうち、
この個体は翅裏を見せることなく、飛んで行ってしまいました。
次回へつづく
北九州のクロツは、その独特な斑紋の美しさ、気品の良さから、いつかは撮影してみたいと念願してました。
タイワンツバメシジミは運悪く遭遇できないとしても、この九州クロツだけは絶対に見てみたいと思っていたほどです。笑;
北九州産は本州中部、本州西部とは違う個体群で、朝鮮半島の亜種と同じと分類する人もいます。
面白いことに、九州でも朝鮮半島に近い対馬、福岡、佐賀、長崎の玄界灘、西海の海岸部や島璵にだけ生息し、海岸部に生えるタイトゴメや、北九州にだけ生育するナガサキマンネングサなどを食草としているようです。
当初、ワンツやツマグロキ・シルビアを撮影した某島で、クロツも撮影できるつもりでいました。
強風や天候不順で撮影に予想以上に時間がかかったことと、当日何としても長崎市内まで戻らなければならず、
これから先でもいくらでも撮影できるはずだと考え、クロツ探しはしないままホテルにもどりました。
長崎滞在3日目は、長崎市内の森林公園で、ナガサキアゲハ、イシガケチョウなどの南国ならではのチョウを探して過ごしました。
そして滞在4日目。
島原半島の観光を兼ねて、半島内では唯一クロツが発生しているという、某低山をめざしました。
旅の連れには、歯痛を抱えながらも、わたしのクロツ探索に付き合ってもらうことに。笑
このポイントは、島原ネイチャーセンターの学芸員Nさんに教えてもらった発生地で、タイトゴメではなく、ナガサキマンネングサについている個体群です。
地元ではこのナガサキマンネングサが大切に保護されているという、撮影絶対確実ポイント・・・のはずでした。
2015/09/10 長崎県島原市
島原半島唯一のクロツ発生地から、島原湾を望む
天気晴朗、かつ波も穏やか。蝶の撮影には絶好のお天気に恵まれました。
ナガサキマンネングサ 2015/09/10 長崎県島原市
岩山の山頂で、暖帯照葉樹林の林床に食草を発見。
この植物自体が希少種で、長崎県の絶滅危惧種に指定されているそうです。
ナガサキマンネングサ 2015/09/10 長崎県島原市
薄暗い林床の巨大な岩に、隠れるようにして生育していました。
盗掘がひどく、既存産地の多くで数を減らしているらしい。
このポイントは、道の途中から踏みあと程度の痕跡しかなく、一般的な登山者は訪れないようですが、それでも株数は少なかった。
しばらく目を凝らして探すも、クロツバメシジミの姿は見えず。汗;
食草が少なすぎるのか、発生時期と合っていないのか・・・
クロツの姿を探しながらも、あたりを見るとヤクシマルリシジミがテリ張りをしている様子が見えました。
ヤクルリも今回のターゲットの一つ。
ヤクルリを撮影しながらも、肝心のクロツが一向に姿を見せず、帰着の時間も迫ってきました。
3時間ほど、山頂の岩崖を探し回ってもクロツの影が見当たらず、諦めて下山しました。
結局、この日はクロツ敗退。
翌日は、クロツ天国と言われる上五島を目指しました。
ここは、事前に町役場のYさんからクロツ・ポイントを教えてもらいました。
2015/09/10 長崎県新上五島町
島の高台からの展望
このポイントは、数年前までタイワンツバメシジミがいたという場所です。
しかし、今は観光客のため整地され、外来のスゲがまばらに生えるばかりで、シバハギは全く見えず。
ワンツも姿を消していました。
Yさんから教えて頂いたクロツのポイントは2カ所、自分で探した候補地は4か所。
島での時間は、移動時間も含めて6時間。
小さな島とはいえ、南から北のポイントへ移動するのに、2時間近くかかります。
往復、移動だけで4時間。ポイントで蝶を探す時間は2時間しかないというタイトなスケジュールでしたが、クロツは発生地さえわかれば、撮影は簡単。・・・のはずでした・・・・ 汗;
メノマンネングサ? 2015/09/10 長崎県新上五島町
海岸部へ向かう途中、路の両側に食草が沢山生えていた。
ここなら、クロツは間違いなくいる!と確信して目を皿のようにして探しましたが、飛ぶのはヤマトシジミのみ。
ヤマトの♀が飛ぶ姿はクロツとそっくりなので、紛らわしい。
仕方なく、北へ移動。
次のポイントでは、海岸の岩にびっしりとタイトゴメが生えていましたが、ここにもクロツの姿は見えません。
一体どうしたことでしょうか。
時期が良くない?
近くの民家や草地にはイシガケチョウが飛び、辺りの食草に産卵していました。
30分以上いても、クロツらしきものは飛びません。
しかたなく
更に北へ移動。
Yさん情報の絶対確実ポイントに到着。
しかし・・・・・そもそもマンネングサの類が見えない。
海岸の隅から隅まで見て歩いても
ここは、上五島町でも超有名な観光ポイントで、かなり整地整備が行き届いている様子。
どうも、タイトゴメの類は単なる雑草と見なされて排除されてしまったのかもしません。
移動、探索を繰り返すうち、刻々と帰着フェリーの時間が迫ってきます。
ぎりぎりまで探索をした後、ついに諦めて帰途に就くことにしました。
クロツ、5日目も敗退。 涙;;
九州クロツの中心的発生地と言われる島で見つけられないとは、ガッカリです。
そして、ついに仙台へ帰る日になってしまいました。
今回は、あこがれていた九州のクロツはダメだった、と落胆しながら、今度また必ず来るぞと無念の思いを飲み込みます。涙;
最後の日は、飛行機に乗るまで、長崎市内で軍艦島などの観光を予定していました。
しかし、これまで、当初目標の、クロツばかりでなく、クロセセリ、サツマシジミを撮影できていません。
クロツがダメなら、この九州普通種の2種ぐらいはなんとかクリアできないものかと、考えた末、長崎市内の「裏の畑」的な環境の住宅地周辺を観光名所探訪の合間に2時間ほど歩いてみることにしました。
たまたま、昔長崎市内でも発生していたことがあったというワンツのいたであろうような草地を地図でチェックしたものがあったので、その地図で適当な場所(どこでもよかった)を指定して、タクシーの運ちゃんに連れて行ってもらいました。
タクシーで降りたところは、長崎特有の傾斜地にびっしりと建てられた住宅地。
住宅地の背後に、ちょっとした畑などがあって、クロセセリやサツマがいてもよさそうな環境です。
しかし、ここでもアテが外れて、いるのはヒメウラナミジャノメとかクロヒカゲ・ナガサキアゲハ・ナミアゲハ・ヤマトシジミなど、本物の普通種のみ。
ナガサキアゲハ♀がミカンに産卵する様子などを撮影して、残り時間はあと30分ということで、傾斜地の住宅街を後にして歩き始めたとき、ふと足元で黒いシジミが2頭飛んでいるのが目に入りました。
黒いのが黒いのを追いかけている?
追いかけているのがヤマトの♂なら、青いはずだが・・・
ヤマトの♀同志で追っかけをする筈はないし・・・ え?・・・
なんだこれは・・と思ってその2匹を目で追っていると、片方が草の上に止まりました。
2015/09/12 長崎市
ヤマトの♀?
ヤマトの♀にしては前翅の先の角度がとんがり気味。
止まっている草を見ると、メノマンネングサでした。ううむ。
後翅が半分以上隠れ、翅裏も見えず、確認ができないまま、とりあえずシャッターを押しました。
これがヤマトなのか、それ以外の「ナニ」なのか判らずにいるうち、
この個体は翅裏を見せることなく、飛んで行ってしまいました。
次回へつづく