梅雨に唄えば w  - ウラゴマダラシジミ -

 ジーン・ケリーの「雨に唄えば」は、アメリカ人によるオールタイム映画ベストテンのセレクションにはいつも入っている、アメリカ人のカルチャーにとってよほど思い入れのある映画のようです。現在のように、たとえ能天気なハリウッドの娯楽映画といえども、ジェンダーや人種偏見という社会性を無視しては映画を制作できない時代とは違い、50年代のハリウッドは、白人中心主義が何の罪悪感もなく肯定されていた幸福な(白人中流以上の人々限定だが)時代(まさしくトランプがアメリカの誇りを取り戻すといっている時代)に作られた映画ですが、物語自体は単純に明朗で楽しい。多くの人たちがこの映画を愛するのもむべなるかな、です。
 ジーン・ケリーが恋する人を送り届けた後で、降り出した雨に濡れながら幸せな自分の気持ちを唄い、踊るナンバーが「雨に唄えば」でした。

 日本の雨の季節は6月~7月の梅雨時だが、こんな梅雨のなかで舞い、踊るのがウラゴマダラシジミ
 晴れた日や、明るい日中は、木の茂みなどでじっとして動かず、小雨模様になると飛び出してくる。
 まるで、ジーン・ケリーのように、憂鬱な雨の中でも幸せな気分に満ちて踊り出すような感じ。
 まさしく「梅雨に唄えば」の蝶なのです。w

ウラゴマダラシジミ♀ 2017/6/22 仙台市青葉区
今年は、いろんな場所でこの蝶を見かけた。
毎年出かけているポイントでは梢を素早く飛び回るばかりで、全く止まることがなく、結局撮影できたのは、今年初めて知った別のポイントだった。

ウラゴマダラシジミ♂ 2017/6/22 仙台市青葉区
同じ場所で、♂も見つけた。
♂は、いつもだいぶ擦れた個体ばかり撮影してきたので、こんな綺麗な個体を見たのは久しぶり。
でも、翅表は見せてもらえず仕舞い。 涙;

       ウラゴマダラシジミ♂ 2017/6/22 仙台市青葉区
       複雑な模様がなく真っ白で、単純な美しさがある。

ウラゴマダラシジミ♀ 2017/6/22 仙台市青葉区
翅をV字に開いた。跳び上がる気配に、連写開始。

ウラゴマダラシジミ♀ 2017/6/22 仙台市青葉区
跳び上がった。
黄色い粒状のものが宙に舞っているが、形・色からしても卵ではないようだ。


ウラゴマダラシジミ♀ 2017/6/22 仙台市青葉区
羽化直後の♀と思われるので、これは多くの蝶が羽化後に排出する老廃液なのかもしれない。