今年のミヤマカラスアゲハ

 待望のミヤマカラスアゲハのシーズンとなりました。
 今年最初のピッカピカの春型を写すつもりで、いつもの小山のピークで待ち構えていましたが、なぜか異常に個体数が少ないようです。
 4月下旬、一日待機して、3頭を見ただけ。
 初日は樹上をものすごいスピードで飛び回るばかりで、まったく一枚も撮影できませんでした。
 その翌日には、お昼過ぎに咲き始めたヤマツツジに吸蜜に来た2頭の♂を写すことができました。が・・・どれも破損個体ばかり。1頭はこれでもか!とばかりのボロボロ状態です。
 一体どうしたことでしょうか。
 例年ならば、今の時期は全く傷やスレの無い、羽化したての美しい個体ばかりのはずなのですが。
 やはり、今年の2月、3月の異常な温暖陽気と、3月下旬から4月にかけての酷い寒の戻りと関係があるのかもしれません。

今年最初のミヤマカラスアゲハ
新鮮な個体のようですが、もう片方の尾が無くなっていました。

ヤマツツジはこの株だけが咲き始めたばかりで、ほかはまだつぼみのまま。
こんな早い時期なのに、もう破損個体ですか? 笑

    同じ個体。
    発生数も、今年は、異常に少ないように思われます。

この日に現れた別の♂。
見るも無残に翅がボロボロになっていました。
鳥にでも襲われたのでしょうか。
だいぶ飛び古したものらしく、鱗粉にカスレがみられ、決して新鮮個体とは言えないようです。


 一週間後、寒の戻りを蛹でしのいだものが羽化してきて、例年通りの綺麗な個体も出てくるかと期待していました。
 山頂のツツジの花も満開となり、様子を見に出かけてみると…
 やはり同じ個体と思われる数頭が何回も姿を見せるという状況で、数が目立って増えたという風には見えません。
 そして、やっぱりボロボロのオスだけが吸蜜に訪れるという状況で、今年のミヤマカラスは結局綺麗な個体を写すことはかないませんでした。


   ジェット機の飛跡とミヤマカラス

樹上の小枝でテリを張っているヤマキマダラヒカゲとミヤマカラスの追尾
この2頭のうち1頭は尾が取れた上と同じ個体。もう一頭は破損が激しい。

        同じ集団。
    この2頭を含めた数頭が木の梢を飛び回っているだけです。

この日ツツジに吸蜜に来たただ一頭の♂
両方の尾がありませんでした。

これはオナシミヤマカラスアゲハという別種かも 笑

今年の春型のミヤマカラスアゲハがこれで終了になるとすれば、ちょっと寂しいですね。泣;
5月中旬になれば、山の麓でも羽化してくるようになるので、そこに期待したいと思います。