最上川源流へ - オオゴマシジミ -

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炎天下、オリンピックで暑苦しい下界を逃れて(笑)、最上川にオオゴマシジミの姿を求めて源流を遡りました。

オオゴマの撮影は、昨年まで比較的撮影機会が多い岩手の北上川の支流に出かけていますが、今回は、月山の山懐で撮影をしました。

 この発生地は、4・50年ほど前はそれなりの数が見られたそうですが、その後姿を消し、近年は地元の採集者が訪れても殆ど記録がなかった場所です。

 ブログ主は、4年前にごく少数の個体が細々と発生を続けていることを確認しました。一日粘っても1・2頭しか姿を見ることができない、本当に数の少ない棲息地です。

 その後、毎年一度は発生状況を確認しにこの場所を訪れていますが、今年は今までにはなかったほどの個体数が見られ、この発生地がこのままの個体数を維持できるかどうか、興味があるところです。 

 

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ポイントに到着してまもなく、♂が飛び出しました。
新鮮な個体です。

 

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♀も産卵開始。

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クロバナヒキオコシの穂先に産卵し、次の食草へと移っていきます。

東北産らしい、黒味の強い♀。

 

 

産卵中の別の♀に♂が絡んできた。

どちらも非常に新鮮な個体。 

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渓谷の強い日差しの中、♂が盛んに求愛飛行する。

 

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♀が♂を逃れて、近くの葉に止まりました。撮影には絶好の場所。喜;

♀は交尾拒否の姿勢ですが、追いかけてきた♂は構わず求愛を続けます。

 

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このチョウの♂は、♀の探索飛翔を続けることが多いため、吸蜜時に時々翅を開く以外に、普通は開翅の写真がなかなか撮影できません。

こうした♀に絡む♂は、開翅撮影の最高のチャンス。

 

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♂は前後翅が青空のように美しい空色ですが、この♀も負けず美しい。

 

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執拗な♀の交尾拒否に♂もとうとう諦めて離れて行きました。

 

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東北産にしては青味が強い美しい♀。

 

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この♀は、先の個体よりは黒化していますが、岩手県胆沢川源流の♀と比べると、前翅の青色が明るい。

 

今年も豊産 - ムモンアカシジミ -

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 猛暑と共に、ムモンアカシジミの季節となりました。

 他では類を見ないほどの高密度で生息するムモンアカシジミのポイントは、この場所をご自分の大切なシークレット・ポイントにしておくことを望んでおられた方の意思に反して、ある鳥類撮影者の心無い暴露ですっかり他の人にも知られてしまいました。( ;∀;)

ごく内輪だけにしていたのに、残念なことです。

 

 

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葉坊主?と対話 ( ´艸`)

 

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桜の茂みに止まった♀を目ざとく見つけた♂が絡む

 

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カラムシの熊手のような葉上で開翅した♀。

 

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アリがいる木に産卵に訪れた。

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♂も新鮮そのものだった。

 

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日中のあまりの暑さに、葉裏に潜り込む

 

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炎天下の群舞。この時は10頭ほどの群飛が見られたが、写真には5頭だけが写っていた。

遠くにアオスジアゲハの影も。

 

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2頭の卍巴飛翔。

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ミドリシジミ類と違って、ごく短時間で終わってしまうので、撮影するのはなかなか難しい。










 

カラスシジミとミヤマカラスシジミ

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ブログ主のフィールドでは、カラスシジミはミヤマカラスシジミの10日~2週間ほど早く発生します。

ところが、人目に触れるのが何故かミヤマカラスシジミのほうが早く、カラスシジミはミヤマカラスの最盛期の頃に、破損した♂やスレた♀がぽつぽつと姿を見せることが多いようです。

羽化した後の行動習性の違いからこうした現象になるのかもしれません。

 

カラスシジミは、ハルニレが生育している低山から奥山にかけて広く生息しているようですが、従来まで記録が少ないのは、カラスの人目に触れにくい習性と関係していると思われます。

一方、ミヤマカラスシジミは、本州中部に行くと、ちょっとした街中の公園でもごく普通に見かける蝶ですが、仙台周辺では知られたポイントは多くありません。とはいえ、ブログ主は意外な場所で遭遇する機会が少なからずありました。恐らく、スジボソヤマキチョウがいる場所ならどこにでもいると思われますが、これもなかなか人目に付きにくい行動をしているのかもしれません。




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今年は、発生初期に吸蜜に訪れる何頭ものオスや♀を見かけましたが、その後ぱったりと姿を消し、撮影ができたのは二日間だけでした (;^_^A

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これらの画像は出始めて初日か二日目ぐらいの個体です。
その後は、まったく吸蜜に出てこなくなってしまいました。

 

 

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一方のカラスシジミ
今年こそ、新鮮な♂を何とか撮影したいものと思って、発生初期に日参しました。
飛ぶ姿は何度も見かけるのですが、地表近くの花に降りてくることがなく、まったく撮影はかないませんでした。

 

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結局、このようにやや鮮度の落ちた♂や♀が吸蜜に姿を見せたのは、ミヤマカラスシジミの最盛期を過ぎると思われる頃でした。

 

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これは♂。
ヒメジョオンは通年花をつけていますが、カラスシジミはいつでも訪れるという訳ではないようです。

 

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ヒヨドリバナに吸蜜に訪れた♀。

だいぶ擦れた様子から、羽化して数週間近くは経っているのではないでしょうか。

 

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一部翅は破損しているものの、翅の模様の美しさは感じられます。

8月のカレンダー

 

今日から8月。
賛否両論・・というより、反対の声が多い中で強行されているオリンピックもあと1週間余りとなりました。日本選手の活躍がどうであれ、とにかくこの大騒ぎなお祭りには少々食傷気味なブログ主です。(;^_^A

 

8月のシンボルの一つ、ムモンアカシジミも今が盛り。
この蝶が出てくれば、あと数種を残して夏も過ぎていきます。

 

 

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オオイチモンジ♀

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今年の上高地は、蝶の数がとても少なく、いつもたくさん目にするヒョウモンチョウやコヒョウモンなどが全く写せませんでした。

季節外れの越冬明けと思われるキベリタテハやヒオドシチョウ、アカタテハなんかが居たりして、上高地らしさを感じさせてくれる蝶は、オオイチモンジだけみたいな感じでした。(;^_^A

その分、いつもはなかなか写すチャンスの無い♀が、その見栄えのする堂々たる姿を見せてくれました。

 

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日本のタテハでは、オオムラサキに次ぐ大きさ。
堂々として実に立派な姿です。

 

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ドロノキの葉先に止まって産卵中。

 

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下から見上げるので、どうしても翅裏の絵となるのが少々悔しいところ
ミスジ類と違って、全体に厚みと立体感が感じられる。

 

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樹高30mを越すドロノキの梢の葉に産卵する♀

 

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10mほどの若木にもやって来た。

 

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産卵後、♀が飛び上がったので、蝶のほうはピントが外れてしまいましたが、
葉の先に産み付けられた卵はしっかり写っていました。

 

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白い帯が太く、そのサイズと相まってとてもカッコ良い。

 

 

炎暑の上高地にて - オオイチモンジ♂ -

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ガースーさんとバッハ君が、何が何でもやってやるっ!とばかり無理強いしているオリンピック。五輪連休を満喫しているのは、すでに二回目のワクチン接種を終えた高齢者ばかりかも。(;^_^A 
 
メダルの数を数えたりする悪趣味が苦手なブログ主は、下界を離れて、上高地に出かけました。標高があるとはいえ、暑さにうだる上高地は物凄い人出。
若い人たちも家族連れも大勢いましたが、だいぢゃぶなんでしょうかね。(;^_^A
 
今年の上高地には、オオイチモンジしかいなかった。
コヒオドシも、淡い期待のタカネキマダラセセリもクモマベニヒカゲもミヤマモンキも梓川河畔までは降りてきていない様子。
昨年撮影できた人は、かなりの強運の持ち主ですね。笑;
 
 
 

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今年は早く出始めたオオイチモンジ。
若干時期遅れとはいえ、綺麗な♂もいました。

 

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ドロノキの樹幹で吸汁。

 

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梓川の川岸ギリギリに生えたドロノキの周辺を飛ぶ。

 

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先客にヤマキマダラヒカゲも。

 

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♀→♂ 求愛劇場 - ミドリシジミ -

 
 チョウの配偶行動で通常観察されるのは、羽化後、時間が経過して性的に成熟した♂が積極的に♀に求愛し、挑んでいくパターンです。♀は♂に対しては受け身のことが多く、飛翔中に♂に求愛されると(体当たり行動など)そのまま近くに止まって、♂を受け入れます。
 どの種類でも、♂とのこうした行動パターンは原則的に変わらないだろうと思っていたのですが、中には例外もあるようです。
 
 
 以下は、先日目撃したテリ張りをする♂の近くに♀が舞い降りて、さらに♂の傍に寄り添っていく行動の一部始終。
 連写枚数が多いのですが、コマを追うように見てくだされば嬉しいです。

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葉上でテリを張っていたのが右上の♂。
そこへ、♀がやってきて、下の葉に止まりました。(左下)
 

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♀は、ちょっと休んだあと、♂のいる上の葉に飛び移りました。

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♂が♀を認識して、前に出て、♀に迫ろうとしますが・・

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♀は葉からはじき出されるようにして後方に飛びました。

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すかさず、♂が♀の後を追いかけます。

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雌の後を追う♂

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この後、首尾よくこの♂♀が結ばれたかどうかは確認できませんでした。

 

同士の追っかけ行動(卍巴飛翔)は、出会う機会も多く、比較的撮影しやすい被写体ですが、ミドリシジミ類で♂♀の追いかけ飛翔を撮ったのは、これが初めてです。