今年のミヤマカラスは♀も出た

 ヒメギフのシーズン終了とともに、ミヤマカラスアゲハも最盛期を過ぎようとしています。 

 ミヤマカラスアゲハの羽化は、ヤマツツジの開花とほとんど同期しているようで、ヒメギフがカタクリの開花と歩調を合わせて発生するのとまったく同じ関係にあるように見えます。
 近縁のカラスアゲハが、野生種、栽培種のツツジの花にこだわりがないように見えるのに対し、ミヤマカラスアゲハは栽培種にも来ますが、とりわけヤマツツジレンゲツツジのオレンジ色の花に強い嗜好性を持っていて、この蝶の野性味を感じるところがまた面白いところです。

♂ 2017/05/11 仙台市青葉区
ヤマツツジの開花とともに、今年もまたミヤマカラスアゲハが飛ぶ。
ツツジの朱色を背景に、春型♂の輝く青帯と黄帯と赤紋が映えて実に美しい。
後翅の鱗粉の粒子にピントが来ると、奥の頭部や目はピンボケとなってしまう。
飛翔狙いで、シャッタースピードを上げているため、深く絞れないところが苦しいところ。


          ♂ 2017/05/11 仙台市青葉区
          連写した別の一枚。同じような写真。汗;
     今年は、3日間ほどいつものポイントで待ち構えていたが、しっかりと撮影できたのはこの個体だけだった。涙;

          ♂ 2017/05/19 仙台市青葉区
     これは、あまりミヤマカラスを見かけることがなかった山麓ツツジに来た♂。

      ♂ 2017/05/19 仙台市青葉区
   同じ場所にあるレンゲツツジの他に、こんな薄い赤紫色のツツジも好きなようだ。
   たっぷりと吸蜜を終え、跳び上がった。

        ♂ 2017/05/19 仙台市青葉区
        ミヤマカラスアゲハのシンボルマーク、黄色の帯と赤い紋列がくっきり。

♂ 2017/05/23 仙台市青葉区
別の日、またしても同じ山麓に♂が現れた。
このポイントでは、ごくごくたまに♀を見ることがありますが、♂を見るのは初めて。

          ♂ 2017/05/23 仙台市青葉区
          山麓は深い木立に囲まれた薄暗い環境のせいか、蝶の発生も遅れると見えて、山頂付近にいる
     個体はこの時期、すっかり汚損してしまいますが、ここのミヤマカラスの♂はまだ無傷のものもいます。



 仙台市街地周辺の低山地域では、ミヤマカラスアゲハは少ないとはいえ、♂は低山のピークに現れるので、それなりに撮影のチャンスはあるのですが、♀ときたら、年に一度、目の前に現れるどうか、といった頻度。
 私にとっては撮影難易度No.1の蝶です。汗;

 ところが、今年はどうした訳か、一日に数回、♀の姿を見かけます。
 ♀の当たり年でしょうか。


♀ 2017/05/23 仙台市青葉区
待望の♀出現。


♀ 2017/05/23 仙台市青葉区
♂の太い青い帯の輝きとはまた違う美しさ。
非常に惜しいことに、左後翅がスダレ状に破られていました。

♀ 2017/05/23 仙台市青葉区
でも、さすがに腐っても鯛・・・じゃなくって、破損してもミヤマカラス
じつに綺麗です。↑クリックで拡大


♀ 2017/05/23 仙台市青葉区
順光で全開翅の無傷の♀を撮影するのが長い間の夢ですが、今回もまだ叶いません。汗;



♀ 2017/05/19  仙台市青葉区
ちょっと変わった♀がいました。
下翅の表面が、ミヤマカラス特有の青い帯を欠いた、カラスアゲハのような♀。
一瞬カラスアゲハかと思いましたが、色合いが違うのと、前翅の青緑の帯の幅が一定です。
↑クリックで拡大


♀ 2017/05/19  仙台市青葉区
後翅裏の黄色い帯。
間違いなくミヤマカラスアゲハです。

♀ 2017/05/19  仙台市青葉区
サイズも大きく、迫力のある♀です。
これは、ミヤマカラスの個体変異の通常変異幅内のものなのか、かなり異常な個体なのか?
あまり♀を見ることが無かったので、判断つかず。汗;

♀ 2017/05/19  仙台市青葉区
頭部はピンボケ。
飛翔はこの一枚だけです。笑


ちなみに、カラスアゲハの♀ ↓
カラスアゲハ♀ 2017/05/21 仙台市青葉区