20年前の珍蝶 - シロタテハ -
シロタテハとキゴマダラ・タイワンコムラサキ(右下)
この蝶を始めて見たのは、7年前、台湾に出掛けて2回目の時だった。
シロチョウがいるなと思ったら、飛んだ時に見えた翅表の黒い斑紋が、見たことのないパターンでした。これがうわさに聞いたシロタテハかと、その品の良い清潔感溢れたたたずまいに一目ぼれしてしまったものです。
かつては、台湾産のタテハの中でもイナズマチョウと並ぶ珍蝶とされていました。白水隆著「台湾産蝶類大図鑑」では、「アサクラコムラサキと共に台湾中北部から中南部の山地に産する稀種として知られている」と記述されています。かつては、標本が日本のコレクターにかなりの値段で売買されたということです。
今では、台湾の蝶相の調査が進み、以前考えられていたほどの珍種というわけでなくなったそうですが、それでもこの蝶に出会うのは簡単ではないようです。
樹液に訪れたシロタテハ
パイナップルトラップに吸汁しに現れた。
スギタニイチモンジもやって来た。
右上に見えるのはタイワンコムラサキ
タイワンエノキに産卵しようとする♀
産卵の合間、低い草に降りてきた♀が飛んだところを連射した。
シロタテハの清潔な白さに、飛翔の美しさが際立つ。