オオムラサキ・台湾亜種 - 冬眠シリーズ10 -
昨年の大きな収穫の一つは、念願だった台湾のオオムラサキを撮影できたことです。
日本のオオムラサキは里山の蝶で、北海道の道南から九州まで普遍的にみられますが、これがいったん国外のオオムラサキとなると、途端に珍蝶となります。中国・朝鮮半島・台湾に分布しますが、日本以外は何処でも生息範囲が狭く、地元の研究者でないとなかなか出会うのが難しいようです。
台湾ではこれまで確認されているポイントは、北西部の拉拉山南東、大渓上流地域、太魯閣渓谷など、標高1500m以上のごく限られた場所です。
台湾に初めて出かけた当初から、可能ならば、オオムラサキの台湾亜種を一目でもいいから見てみたいと思っていましたが、なかなかいい時期に出かけることができず、撮影のチャンスがなかったのですが、昨年6月に新竹縣の奥地でやっと実物と対面できました。
2018/06/07 台湾・新竹縣秀巒
日本産と違うのは、前翅亜外縁部にある黄色の斑紋が一様な黄色となるところ。
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018/06/08 台湾・新竹縣李棟山
ちなみに、これは仙台のオオムラサキ
黄色の斑紋が亜外縁と外縁では色合いが明確に違う。
2018/06/05 台湾・新竹縣秀巒
裏面は、斑紋がぼんやりとした日本産と違い、濃淡のコントラストが明瞭で、斑紋がくっきりと出る。
2018/06/05 台湾・新竹縣秀巒
樹液にやって来たオス(左)とメス(右)
2018/06/05 台湾・新竹縣秀巒
右にいるのは、これも珍蝶・ホウライコムラサキ。
一緒に樹液にきている小型のやや前腕が長いカブトムシは、台湾特産のやはりかなり珍しいビートルだそうです。
2018/06/05 台湾・新竹縣秀巒
巨大な♀。日本のメスもかなりデカいですが、それにさらに輪をかけた大きさ。
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オオムラサキは、どこで見ても、その場を席捲してしまう迫力と、圧倒的な存在感がありました。