台湾・低山地のアゲハチョウ

 台湾中部に位置する「南山渓」は、戦前戦後を問わず、多くの日本人の昆虫愛好者が訪れたトラディショナルな台湾産昆虫の棲息地です。

 狭い渓谷に低・中標高を住みかとする数多くの蝶が生息していて、ここを訪れるだけで台湾を代表する種を観察することができる素晴らしい場所です。数年前までは、採集者も沢山訪れたところですが、今はこの場所一帯が採集禁止地域に指定されました。

 昆虫撮影の初心者、ベテランを含めて、台湾を訪れたからには、まずはこの地を訪れるのが台湾の亜熱帯らしい各種の蝶に触れる一番いい方法ではないでしょうか。

 

オナシモンキアゲハ

名前はモンキアゲハですが、類縁的にはモンキアゲハよりは、シロオビアゲハに近い種類と言われています。アゲハにしては小型で、これと言った特徴のない姿ですが、私はこの可愛らしいアゲハがとても好きです。

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 南山渓には各種のアゲハが見られますが、なかでも台湾中部を代表する美蝶と言えるのは、ルリモンアゲハです。これは、台北市内や台湾北部を中心に生息し、中国大陸にも分布するオオルリモンアゲハとは別種で、台湾だけにしかいない台湾特産種です。

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 ルリモンアゲハは台湾中部から南部にかけて生息し、北部にいるオオルリモンアゲハとはかなり明確に棲み分けをしています。日本のギフ・ヒメギフみたいな関係にある近似種といえます。新竹縣には、両種が混生する場所があるそうです。

 

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