伐採の跡地

例年6月下旬にキマダラルリツバメに会いに出かける会津ですが、今年はいつも案内して下さるKさんのブログで、毎年観察しているポイントの桐の古木が全部伐採されたと書いておられました。
キマダラリツバメは、会津のこのポイントでは桐の古木に巣喰うハリブトシリアゲアリに育てられます。
そのため、この場所ではもうキマルリに会えないのでは・・と危惧していましたが、なんと今年は例年以上の個体数が見られました。
あまり沢山居すぎてテリトリー占有の追っかけっこが激しく、なかなかゆっくりとテリの場所に落ち着いてくれないために、写真を撮るのに困るぐらいです。
どうしたことでしょうか。
伐採木が売却もされず、放置されたままになっていたことが幸いしたのかもしれません。

ただし、来年以降はどうなるのか。
近くには沢山の桐畑があるので、そちらで命をつないでいくといいのですが。
今年は、Nさんの案内でこのポイントとは別の場所での撮影もできました。


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2014/06/20 福島県三島町                                 DMC-GH4 f/5.6 1/640s ISO-640 45-175mm 
夕刻、どこからともなく現れ、猛烈なスピードで開けた空間を飛び回る。
構造色に輝く瑠璃色が非常に美しい
写真にその色を写し止めるには、光量・撮影角度の条件を満たす必要があるのですが、
この日は、日が陰りがちで光量が十分でないため、目で見るような鮮やかな輝きが十分再現できていません

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2014/06/20 福島県三島町                                 DMC-GH4 f/5.6 1/640s ISO-640 45-175mm
ススキの葉上でテリを張る♂
背景が暗く沈み、キマルリのトラ縞模様が浮き上がって一層映えて見えます


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2014/06/26 福島県三島町                                DMC-GH4 f/5.6 1/1300s ISO-320 45-175mm 
ヤブマオウの緑濃い葉上で♀を見張っている♂


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2014/06/26 福島県三島町                                DMC-GH4 f/5.6 1/1300s ISO-400 45-175mm 
会津のキマルリに時々出現する典型的な青色退色型
前後翅とも瑠璃色部分が小さく、暗色範囲が広い。残念ながら完全に開翅をしてくれませんでした
この地方の蝶は何故か黒色型が現れることが多く、なかでも奥只見のフタスジの黒化型は別亜種とされるほど


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2014/06/20 福島県三島町                                DMC-GH4 f/4 1/640s ISO-400 45-175mm
ジャガイモの花で吸蜜する♂
淡いピンクの花との組み合わせが思のほか美しい


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2014/06/20 福島県三島町                                DMC-GH4 f/4 1/1000s ISO-800 45-175mm
近くを通過する♂を追って飛び立った瞬間
ティルスみたいな三角翼で猛スピードで追撃する


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2014/06/26 福島県三島町                                DMC-GH4 f/5.6 1/1300s ISO-400 45-175mm 
上の写真と同じように追撃に飛び立った♂
アップで撮影したため、1/1300秒でもブレてしまった。



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桐の古木が伐採された跡地で、伐り残されていた桐の幼木にメスが舞い降りた
桐の葉の上に止まって、アリの様子をうかがう♀


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葉の上から裏側に回り込む


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葉裏のアリとコンタクトする
アリの方もキマルリ♀に積極的に関心を持っているようだ

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キマルリ♀の両前足に2匹のアリが近寄って、盛んに触覚で触れている
しばらくしてこの♀は飛び立った。
産卵は残念ながら確認できませんでしたが、産卵行動の一端と考えられます。