古い石垣で
ツバメシジミという名前を持つシジミチョウは日本では４種。
ツバメシジミ、タイワンツバメシジミ、ゴイシツバメシジミ、クロツバメシジミ。
ツバメの名の通り、かわいい尾状突起があって、どの種もチャーミングでキュートな蝶たちばかりです。
ツバメシジミをのぞく３種はいずれも名だたる珍種で、東北に住んでいるものにとっては、その姿を見ることはできません。
珍しい３種の中で、クロツバメシジミは比較的分布が広く、本州中部では産地が点在しているようです。
それでも、乾燥した崖などに生えるツメレンゲという特殊な多肉植物を餌としているため、最近は御多分に漏れず急激にその数を減らしています。
私は数年前、偶然長野県の某町にある古いお寺の石垣に生えているツメレンゲを見つけ、クロツバメシジミがいるに違いないと睨んで、翌年出かけてみると、やはり飛んでいることがわかり、大喜びしたものでした。
恐らく、信州の蝶好きの皆さんはとっくにご存じの場所かもしれませんが。笑
先月半ばごろ、久しぶりにそのお寺を訪ねてみました。
行ってみると、６０Mほどあった古い石垣のうち、半分ほどが、石の隙間にセメントが詰め込まれてふさがれています。おそらく、古い石垣の補修で、緩んでいる石垣を固めるために石と石の間にセメントを流し込んで固めたものと思われます。
そのため、石垣の隙間に生えていたツメレンゲは全滅し、ふさがれず残った石垣の３０Mぐらいの範囲で辛うじてツメレンゲが生き延びていました。
これでは、クロツバメシジミもダメかと暗い気持ちになりましたが、その残った石垣の辺りでチラチラと小さなチョウが飛んでいるのが目に入りました。
いた！
思わず声を出してしまいました。
こんな狭い場所なのに、なんとか命脈をつないでいるクロツバメシジミがいじらしいというか、哀れに感じられたことでした。
なんとか、他の場所にもツメレンゲの生えている場所があってほしいと願いながら、撮影をしてきました。
クロツバメシジミ♂ DMC-GH4 f/3.2 1/1000s ISO-200 45mmMACRO
辛うじて残った石垣の隙間に垂れ下ったスイカズラの葉上でテリを張る♂
クロツバメシジミ♂ DMC-GH4 f/3.2 1/1000s ISO-200 45mmMACRO
通りかかった♀を発見すると直ちに追いかける
真正面からのショットで、動きがあまりぶれずに写し止めることが出来た
が、残念ながら、焦点が外れているところがちょっと悔しい・・・💦
クロツバメシジミ♀ DMC-GH4 f/4.5 1/1000s ISO-200 45mmMACRO
道の反対側にある民家の庭先にあるマツバボタンの花で吸蜜する
クロツバメシジミ♀ DMC-GH4 f/4.5 1/1000s ISO-200 45mmMACRO
シブイ色の蝶とマツバボタンの鮮やかなピンクがよく調和している
クロツバメシジミ♂ DMC-GH4 f/3.6 1/1000s ISO-200 45mmMACRO
この蝶は石垣の隙間に咲く黄色のカタバミの花も大好物らしい
クロツバメシジミ♂ DMC-GH4 f/3.6 1/1000s ISO-200 45mmMACRO
吸蜜を終えて飛び立った瞬間 小さいわりに俊敏なので、ブレてしまった。
翅の表が単純に黒一色ではなく、日光を複雑に屈折させたトビ色の構造色が良くわかる。
クロツバメシジミ♂と♀ DMC-GX1 f/5.6 1/1000s ISO-640 45-175mm
ヤブガラシの上で交尾しているカップルを発見。
そのカップルにほかのオスが割り込もうとしてもつれ合っていた
ツメレンゲはこの時期、新芽が覗き始めたばかりだが、母蝶が卵を産むのにタイミングがぴったり。
食草の成長サイクルに合わせたこの蝶の見事な季節同調に感心させられます。
ツメレンゲに産み付けられた卵 DMC-GH4 f/2.8 1/160s ISO-200 45mmMACRO
ツバメシジミ、タイワンツバメシジミ、ゴイシツバメシジミ、クロツバメシジミ。
ツバメの名の通り、かわいい尾状突起があって、どの種もチャーミングでキュートな蝶たちばかりです。
ツバメシジミをのぞく３種はいずれも名だたる珍種で、東北に住んでいるものにとっては、その姿を見ることはできません。
珍しい３種の中で、クロツバメシジミは比較的分布が広く、本州中部では産地が点在しているようです。
それでも、乾燥した崖などに生えるツメレンゲという特殊な多肉植物を餌としているため、最近は御多分に漏れず急激にその数を減らしています。
私は数年前、偶然長野県の某町にある古いお寺の石垣に生えているツメレンゲを見つけ、クロツバメシジミがいるに違いないと睨んで、翌年出かけてみると、やはり飛んでいることがわかり、大喜びしたものでした。
恐らく、信州の蝶好きの皆さんはとっくにご存じの場所かもしれませんが。笑
先月半ばごろ、久しぶりにそのお寺を訪ねてみました。
行ってみると、６０Mほどあった古い石垣のうち、半分ほどが、石の隙間にセメントが詰め込まれてふさがれています。おそらく、古い石垣の補修で、緩んでいる石垣を固めるために石と石の間にセメントを流し込んで固めたものと思われます。
そのため、石垣の隙間に生えていたツメレンゲは全滅し、ふさがれず残った石垣の３０Mぐらいの範囲で辛うじてツメレンゲが生き延びていました。
これでは、クロツバメシジミもダメかと暗い気持ちになりましたが、その残った石垣の辺りでチラチラと小さなチョウが飛んでいるのが目に入りました。
いた！
思わず声を出してしまいました。
こんな狭い場所なのに、なんとか命脈をつないでいるクロツバメシジミがいじらしいというか、哀れに感じられたことでした。
なんとか、他の場所にもツメレンゲの生えている場所があってほしいと願いながら、撮影をしてきました。
辛うじて残った石垣の隙間に垂れ下ったスイカズラの葉上でテリを張る♂
通りかかった♀を発見すると直ちに追いかける
真正面からのショットで、動きがあまりぶれずに写し止めることが出来た
が、残念ながら、焦点が外れているところがちょっと悔しい・・・💦
道の反対側にある民家の庭先にあるマツバボタンの花で吸蜜する
シブイ色の蝶とマツバボタンの鮮やかなピンクがよく調和している
この蝶は石垣の隙間に咲く黄色のカタバミの花も大好物らしい
吸蜜を終えて飛び立った瞬間 小さいわりに俊敏なので、ブレてしまった。
翅の表が単純に黒一色ではなく、日光を複雑に屈折させたトビ色の構造色が良くわかる。
ヤブガラシの上で交尾しているカップルを発見。
そのカップルにほかのオスが割り込もうとしてもつれ合っていた
ツメレンゲはこの時期、新芽が覗き始めたばかりだが、母蝶が卵を産むのにタイミングがぴったり。
食草の成長サイクルに合わせたこの蝶の見事な季節同調に感心させられます。
