房総・湘南 2 - 茜喰い(?)と、ソテツ喰い -

前回からのつづき

川崎市内の公園には、ムラサキシジミ、ムラサキツバメのほかに、クロコノマチョウもいるそうです。
公園の道を少し入ると池があり、その岸辺にジュズダマが生えていました。
この草むらをちょっと見ただけで、もう蛹が数個見つかりました。
残念ながら、どれも寄生蜂にやられているようで、黒く変色しているものや、変色しつつあるものばかりでした。
しかし、これほど簡単に蛹がみつかるということは、この場所のクロコノマチョウの生息数がかなりのものと思われました。

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クロコノマチョウ蛹(被寄生蛹) 2014/11/13  川崎市     DMC-GH4 f/2.8  1/800s ISO-800 45-174mm


川崎市内の公園を後にして、三浦半島の付け根にあるちょっとした公園で、クロマダラソテツシジミの姿を探しました。
その公園には、ソテツが植栽されていて、この10年ほどクロマダラソテツシジミが定着しているそうです。
駐車場に車を止めると、さっそくそのすぐ脇の道路や道路わきにあるサンタンカやカタバミの辺りでちらほらと飛ぶシジミチョウの姿が見えました。
後を追ってよく見ると・・・あ、なんだウラナミシジミか。
とはいうものの、これがやっぱり美しい。やはりカメラを向けずにはいられません。笑

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ウラナミシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.4  1/2500s ISO-800 45-174mm

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ウラナミシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.4  1/2500s ISO-800 45-174mm
斜めに差し掛かる秋の日差しの透明感と、ツワブキの黄色い花との調和が美しい(上2枚)



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ウラナミシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.5  1/3200s ISO-2000 45-174mm
腹部を深く曲げてサンタンカの花に産卵する♀

一つの花房に色とりどりの花をつけるサンタンカとウラナミシジミの青色が素晴らしい対照をみせていました。
吸蜜かと思いきや、なんとサンダンカの花に産卵をしています。
ウラナミシジミは通常、サヤインゲンやハギなど、マメ科植物を食草としていますが、図鑑をみると、ウラナミシジミの母蝶はマメ科以外の植物にしばしば産卵するようです。
しかし、そのような卵から孵った幼虫はその草を食べることなく、すべて死亡してしまうらしい。
サンタンカは豆とは縁もゆかりもないアカネ科の園芸植物なので、果たして産み付けられた卵はうまく育つことができるのでしょうか。


他に目をやると、今度はウラナミシジミによく似たやや小さめのシジミがいます。
地表に止まったところをよく眺めてみると、ウラナミと同じ色合いですが、翅の模様が違うようです。
これぞ待望のクロマダラソテツシジミでした。

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クロマダラソテツシジミ♂ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2000s ISO-320 45-174mm
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クロマダラソテツシジミ♂ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2000s ISO-320 45-174mm
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クロマダラソテツシジミ♂ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2500s ISO-800 45-174mm
裏面がウラナミシジミとそっくりではありますが、これは低温型の特徴ということです。
夏型はもっと地色と紋様のコントラストが明快で、くっきりとした模様となります。
オスの翅表は、ヤマトシジミに尾をつけて少し大型にしたような淡い均一な青紫色。


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クロマダラソテツシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2500s ISO-1000 45-174mm
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クロマダラソテツシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2500s ISO-1000 45-174mm
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クロマダラソテツシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2500s ISO-1000 45-174mm
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クロマダラソテツシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.6  1/2500s ISO-1000 45-174mm
♀は♂より翅表の色が一層淡く、角度によってパールのような光彩を帯びて見えます。
この♀の個体は、裏面の2列の紋様が内側に流れ気味です。いわゆる流れ紋個体と言えるのかもしれません。
この場所では、似たような流れ気味の個体が他にも数頭見受けられました。


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クロマダラソテツシジミ♀ 2014/11/13  真鶴町     DMC-GH4 f/5.3  1/3200s ISO-1250 45-174mm

逆光で一枚。
午後4時前になると、ウラナミシジミヤマトシジミはまだ活動をしていましたが、この蝶はパタリと姿を消してしまいました。やはり、南方系の蝶は寒さに敏感なのかもしれません。



- 以下つづく