低山の晩春


青葉山の辺りは、新葉が茂り、春もいよいよ終盤。
春のアゲハの顔ぶれも次第ににぎやかになりつつあります。

例年、この時期の最大の楽しみは、新鮮なミヤマカラスアゲハと出会うことです。
仙台近郊では青葉山~国見に至る山地帯に広く生息しているようなのですが、春型は夏型のようにあまり吸水に降りることがなく、ツツジに吸蜜に訪れるところを狙うのがいつものパターンです。
この山地帯には、ミヤマカラスアゲハが特に好むキハダの自生が少なく、カラスザンショウを食べていると考えられますが、それにしても、同じカラスザンショウ喰いのモンキアゲハなどのほうが、ずっと個体数が多いのは不思議です。
また、ミヤマカラスアゲハの♀にはなかなかお目にかかることが出来ません。
この3年の間に、♀を見かけたのはたった2回だけ。
撮影できたのは1回こっきりです。
今年も♀の姿を探しているのですが、まだお目にかかることが出来ません。
とりあえず、♂の方はなんとか新鮮な姿を撮影することができました。

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ミヤマカラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.04.30
まだ咲き初めのヤマツツジを訪れた♂
今年初めてお目にかかるミヤマカラスです。

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仙台市青葉区 2015.04.30
ミヤマカラスアゲハより一足先に発生するアゲハ
キアゲハとともに、ツツジで吸蜜するときは比較的じっくりととどまってくれるので撮影が楽な蝶です。


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ミヤマカラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.04.30
翅裏の黄色い帯は、カラスアゲハとのもっとも判りやすい判別点。
後翅外縁にある赤い紋列と黄色い帯の取り合わせがまた格別の美しさです。

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ミヤマカラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.04.30
仙台近郊のミヤマカラスの春型♂は、非常に青みが強く、同時に後翅の赤い紋が明瞭な半月型に現れる個体が多くみられます。


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ミヤマカラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.04.30


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ミヤマカラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.04.30
他地方産の(-北海道など-)メタリックの緑がかった春型♂は赤紋が縮退する傾向があります。
それはそれでとても美しいのですが、このミヤマカラスは、モルフォまがいのメタリックの青帯と、赤い紋が強調しあって見事です。


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ミヤマカラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.04.30
胴体が花粉まみれとなっています 笑


この時期、もう一つの小さなブルーが出てきます。
ミヤマカラスほどの輝きはありませんが、後翅のオレンジ色と鮮やかな対照で目を引く大好きな蝶です。
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アオバセセリ♂ 仙台市青葉区 2015.05.07
大きな木の広い空間にテリを張り、ものすごいスピードで侵入者を追いかけます。
置きピン狙いで辛うじて写った一枚 汗;
フレームの真ん中にジャスピンで入ったショットは結局、一枚も撮れませんでした。 

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アオバセセリ♂ 仙台市青葉区 2015.05.07
ピントが当たったもう一枚は、アオバ君が右隅にいるショット 笑
単なる証拠写真です。 汗;

空中を猛スピードで飛ぶのは、カラスアゲハも同じです。
アゲハやキアゲハと違って、ミヤマカラスとカラスの飛び方は一ランク違うようです。
樹上をパトロールしながら、木と木の空間に急降下してくるのを狙ってみました。
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カラスアゲハ♂ 仙台市青葉区 2015.05.07
新緑を切り裂くようにしてツツジめがけて舞い降りてくる

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オナガアゲハ♂  仙台市青葉区 2015.05.07
カラスアゲハと共にもっとも個体数が多いのが、このオナガアゲハ
ひらひらと優しい飛び方で、繊細な感じがするアゲハです。



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アオバセセリ♂ 仙台市青葉区 2015.05.08
猛スピードでテリトリーを飛び回って撮影は手におえないとほぼ諦めかけたとき、
目の前のツクバネウツギの花に来て吸蜜してくれました。
 
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アオバセセリ♂ 仙台市青葉区 2015.05.08
約20秒ぐらいの吸蜜の間にやっとアップの画像を撮ることが出来ました。
暗い樹間にスポット状に日が当たっていたため、コントラストがきつすぎて花が白く飛んでしまった。
でも、やや精細に撮れたので満足。 汗;