思い出の大雪山1 - ダイセツタカネヒカゲ -

 明日から10月。
 仙台はすっかりシーズンオフに突入です。
 最近すっかりなじみとなったツマグロヒョウモンは秋でも綺麗な個体が見られますが、遅出のアゲハチョウ達は、古ぼけたお爺さんとお婆さんしかいなくなりました。
 このまま拙ブログもお休みモードになりそうですが、暇に任せて北海道報告の続きでも。

 夏の北海道といえば、大雪山
 狙いは、もちろんウスバキチョウをはじめとする大雪3種です。

 今年の北海道は寒い日が続き、低地の蝶たちは押しなべて発生が半月以上も遅れ、登山路の雪渓も例年の2倍近く残っているというのに、蝶たちはもう飛び古した個体も少なくありませんでした。
 大雪山に行くときは、いつでもほかの2種もしっかり写すつもりで意気込むのですが、いざ現地に行くとついウスバキの姿に魅了されてしまい、この蝶だけを追っかけてしまいます。
 今回も、今まで見た中では最も新鮮な個体が多かったせいもあり、旅を終えて撮った写真をチェックしてみると、やはり、ウスバキの画像ばかりでした。汗;
 
 




アサヒヒョウモン 2017/06/28 大雪山赤岳
 大型のゼフィルスみたいなサイズで、数年前に初めて見たときには、これがヒョウモンの一種だとは思えませんでした。
 ヒースの上すれすれをものすごいスピードで飛ぶので、訪花時を除けば、大雪3種の中では一番撮影が難しいかも。
 今回も結構追いかけましたが、ついついウスバキに気をとられてしまうこともあり、まともな写真が撮れず。
 これはホントの証拠写真。涙:





 大雪3種の中で一番個体数の多いのは、ダイセツタカネヒカゲのようです。
 これまでは、卵から蝶になるまで3年を要するということが知られていましたが、最近の北海道在住の方の観察によって、個体によってはさらにもう一冬を幼虫で過ごし、4年目に蝶となるものもいるそうです。
 チョウの中では最長寿と言えるかもしれません。


ダイセツタカネヒカゲ  2017/06/28 大雪山赤岳
大雪山の広大な砂礫地帯で、砂礫の風景に溶け込むように静止する姿を多く見かける。

     ダイセツタカネヒカゲ  2017/06/28 大雪山赤岳
     あたりの砂礫と一体になっているので、多くの場合、足元から飛び出すまで気が付かない。
     人の気配に敏感で、なかなか近くに寄らせてもらえない。

ダイセツタカネヒカゲ  2017/06/28 大雪山赤岳
エゾイソツツジで吸蜜。
この蝶が花で吸蜜する姿を初めて見た。
しかし、「定本・北海道蝶類図鑑」によると、訪花はそれほど珍しいわけではないらしい。

ダイセツタカネヒカゲ  2017/06/28 大雪山赤岳
♀を追いかける♂。

ダイセツタカネヒカゲ  2017/06/28 大雪山赤岳
交尾ペアを発見。
普段はなかなか見ることができない♀の翅の表がちらりと覗いた。

ダイセツタカネヒカゲ  2017/06/28 大雪山赤岳
同じペア。
♂・♀どちらも新鮮な個体だった。