二つのミヤマカラス

 梅雨明けが遅く、まだ陰鬱で暗い毎日が続いています。
 それでも、今週中ごろから気温が次第に上がり始め、夏らしい温度になってきているようです。
 一時は、20度にも満たない涼しすぎる気候で、この分では夏の蝶の出現もどうなるかと心配していましたが、蝶たちはそれぞれの季節になれば、少々遅れながらも決まったスケジュールで出てきてくれます。

 ミヤマカラスシジミが出始めました。
 いつものポイントではなく、これまでブログ主は一度も見たことがなかった場所で見つけました。
 仙台近辺には、スジボソヤマキチョウがあちこちにいますが、なぜかこの蝶と同じクロウメモドキを食べるミヤマカラスシジミがいないのが不思議でした。
 過去の記録を調べてみると、郊外のいろんな場所で採集されているようですが、私が知っている確実なポイントは2カ所だけです。
 おそらく、じっくりとスジボソヤマキがいる場所に腰を据えて待てば、どこにでもミヤマカラスシジミは見つかるのではないかと思います。

重苦しい曇天の肌寒い日、ちらりと視界をかすめるものがいました。
数株あるヒメジョオンの花にシジミチョウが・・・
この場所では予期もしていなかったミヤマカラスシジミでした。

              光が柔らかで、ヒメジョオンの花の並びも立体的になり、綺麗です。
     羽化して一日も経っていないような、とても新鮮な♂でした。

別の日、別の場所で。
半逆光気味のため、蝶が暗く沈んでしまうので、明度補正をして撮影しました。
この♂も非常にきれいです。

先に写した♂より、地色が明るい個体です。
この蝶が出てくれば、盛夏。
蝶の季節も最盛期を迎えます。が・お天気の方がいまいち。
梅雨が明けて、夏らしい気候になるのは一体いつごろでしょうか。笑

厚い雲が少し取れて、明るい薄日が差すと、まもなく黒いアゲハが現れました。
遠目には、カラスアゲハのようにも思われましたが・・

吸水に降りてきたのを見ると、ミヤマカラスアゲハの夏型でした。
つい先だって、美しい春型を写したばかりのような気がしていたのに、いつの間にか夏型の季節になっていたようです。
 通常、夏型の♂は、後翅の赤い紋が減退して、緑がちになるものが多いのですが、これは赤い紋がきれいに出て、とても美しい個体です。

    ミヤマカラスアゲハの特徴の一つ、後ろ翅外縁にある白い帯が消失して、まるでカラスアゲハみたいに見えます。前翅の白い帯が上部までまっすぐ細いままなので、ミヤマカラスであることがわかります。

この日は、時々薄日が差しましたが、蝶は落ち着いて吸水することがなく、ちょっと地面に止まってはすぐに飛び上がってしまい、撮影できたのはほんの少しの間だけ。まもなく森の奥に飛び去ってしまいました。