温暖化のせい? - ベニヒカゲ -
久しぶりに、ベニヒカゲを写しに行ってきました。
7月の長雨・低温にもかかわらず、例年と同じように発生していました。
ただ、現地に行ってみて驚いたのは、毎年毎年この蝶が発生する標高が高くなっていることです。10年ほど前までは、この場所では標高1500mほどのところでも見られましたが、数年前に行ったときは、1550m付近から上部に、今年はさらに標高が上がって、1650m以上の場所まで行かないとこの蝶は現れませんでした。
ベニヒカゲがいる場所は、カンスゲやイワノガリヤスが一面に茂る湿生草原ですが、1500mから1600mぐらいのところまでは、一見なんの変化もなさそうに見えますが、よくよく観察すると恐らく冬の積雪の量が少なくなって、雪田が年々狭くなっているせいでしょうか。次第に草原の乾燥化が起こっているようです。それに伴い、食草群落に勢いがなくなり、ベニヒカゲの生息域が狭まっていると思われます。
いずれは、山頂周辺のごく狭いところだけになってしまうのではないかと心配です。
風が通り抜ける高山の草原。
揺れるスゲの間で強い風を避けている。
アキノキリンソウで吸蜜を終えた♂。
他の訪花性ジャノメチョウと同じように、ベニヒカゲも黄色い花に強く引き付けられる。
ハクサンアザミに吸蜜に訪れた♀
草原全体を騒がせる強風に逆らって飛ぶ。
高山草原の蝶、ベニヒカゲらしい光景です。
禁じ手の「真ん中一直線」 ( ´艸`)
標本を空中に張り付けたみたいに翅全開。笑