3年振り、湿地の草原で - ゴマシジミ -

 今回は、出掛けたのがちょっと遅かったようです。
   ♀はまだ綺麗なものも見られましたが、は殆どスレ個体ばかりでした。
 岩手山山麓のゴマシジミは、青森・久慈の集団から、かなり古い時代に隔離され、生息地が非常に局限されたため、独自の遺伝形質を持った群れと見なされているそうです。
 たしかに、そのように言われてみると、ここのゴマは総じて翅表の黒褐色や青色が薄く、淡い感じがします。ただ、こうした変異は青森個体群の中にも、北海道のものにも出てくるので、著しい特徴とは言えないようです。
 ゴマシジミの一般的大区分の亜種としては、北海道・東北北部亜種(M.t.ogumae)とされていますが、青森・岩手のものは、北海道産とはさらに区分されて(M.t.shiriyensis)とする見方もあります。細分化が好きな人がいて、さらに岩手山山麓にいるゴマシジミの個体群を別亜種にしようとする人もいるようです。
 この日は、暑さもやや緩んだ曇り空で、じりじりと暑い日差しにあぶられることもなく、気持ちいい撮影ができましたが、如何せん蝶の羽の古ぼけぶりには少々残念な写真ばかりとなってしまいました。
腰高のスゲの間を飛ぶ♂
アザミの花で吸蜜を終えたあと、そのまま休憩。羽化して10日以上は過ぎたような♂でした。

そんななかでも、綺麗な♂がいました。
湿原のランの一種(ミズトンボ?)で吸蜜したあと、飛んだところをジャストミート。

    美しいサワギキョウに訪れるのを待ち構えていると、案の定。笑
    これが新鮮なゴマシジミだったら・・とちょっと残念。

くたびれた♂のところへ、やや綺麗な♂がやってきた。

使い慣れない広角で、岩手山をバックに・・・何の山だかわかりません。笑

同じく。

食草は、ナガボノシロワレモコウ。♀が産卵しているところへ♂がアタック。
メスを追いかける♂。

新鮮な♀がまだみられました。
 
翅の丸みがベルベットのようで、もふもふ感があってとても好きな蝶です。