九州へ・・・ 1  - タイワンツバメシジミ -

 先週、川の堤防が決壊するなど、宮城県内は大変な大雨被害に見舞われました。
 しかしその災害の最中、私は九州に出かけておりました。汗;;
 今の時期の西日本といえば、迷蝶や偶産種を別とすれば、タイワンツバメシジミ、シルビアシジミツマグロキチョウ、ウラナミジャノメ、クロツバメシジミ朝鮮半島亜種)あたりがターゲットになります。どれも環境庁のレッドデータ・リストで絶滅危惧A・B類にランクされているものばかりです。
 私にとっては、この4種1亜種のいずれも未撮影なので、少々欲張りではありますが、この機会に一挙に撮影をしたいものと考えました。汗;;

 出かける一週間前から、現地の天気予報を見ながら、蝶撮影2日、観光4日の旅程を計画しました。
 なにぶん一人旅ではないので、自分の都合だけを優先するわけにはいかないところがちょっと辛いところ。
 結果的には、旅の連れが途中で痛烈な歯痛のため、あわや旅先二日目にして帰宅・・という状況になりましたが、幸か不幸か(笑)、台風と大雨のため、欠航が危ぶまれることもあって、日程だけは予定どおり、しかし連れは歯医者に出かけ、ホテルでうんうん唸るという事態で、中身は観光2割、残り撮影ってな感じになってしまいました。

 それにしても、天気予報が猫の目のように変わる一週間でした。
 今回の最大ターゲットであるワンツ(タイワンツバメシジミの通称)に確実に出会うためにも、まずは天気が良くないと。ってわけで、長崎市に宿泊し、いつでも出動できるようにしておりましたが、晴れと曇りの予報が日ごとに変わる中で、日程も日替わりとなりました。

 旅程3日目、晴れるとの予報を信じ、ホテルに籠りきりの連れを残して、一人、某島を目指しました。
 しかし、予報とは裏腹に、風が強く、雲が重く垂れこめています。気温だけは28度もある蒸し暑いコンディション。
 それほど大きくない島とはいえ、実際出かけてみると結構広い。
 事前に地図でマークしておいた草地を片っ端から見て歩きました。
 これは広くてワンツがいそうな草原だなと思っても、肝心の食草が全く生えていません。
 あちこちを探しながら、やや焦り始めたとき、道路わきにある小さな草地に足を踏み入れた途端、待望のシバハギを見つけました。

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            2015/09/08 シバハギの咲く草原 長崎県平戸市

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 2015/09/08 ワンツの食草シバハギ 長崎県平戸市

ワンツはこの草原に必ずいる!と確信し、草地に足を踏み入れると間もなく、
現れました。

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
思った以上に小さい、可愛らしい蝶です。

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
瑠璃色が非常に美しい。
曇天の上、海に面した草地の為に風が非常に強く、なかなか飛んでくれませんが、待った甲斐がありました。


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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♀ 長崎県平戸市
時期的には少し遅かったようで、殆どがこうした尻尾が片方なかったり、鱗粉が擦れたりしているものが多かった。

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
草原全体が揺れ動くような小雨交じりの強風となってくるなかで、時折少し明るくなると、ちらっと草の中から飛び出してくる。

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♀ 長崎県平戸市
スレが多いなかで、割に新鮮なものが出てきてくれました。

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♀ 長崎県平戸市
メドハギの花で吸蜜するワンツ。

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
ショウジョウスゲに止まったところを縦構図にしてみました。


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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
曇天で暗いうえ、風が強いので、どうしても飛び写真はブレブレに  汗;

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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
草丈30cmほどの風衡草原では、少しの風でも草地全体が動くような感じとなります。
この日は風速10メートルほどのかなりの強風で、蝶は草むらの間に深く入り込んでいました。
やっと出てきても、激しく動くスゲ類の葉がレンズの前で暴れまわるし、蝶が止まっているスゲの葉もじっとしていないので、ピントを合わせるのは本当に大変です。汗;;
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2015/09/08 タイワンツバメシジミ♂ 長崎県平戸市
ミヤコグサで吸蜜中の♂。
この草地には、シバハギと一緒に、ミヤコグサとカワラケツメイが生えていました。
ってことは・・・・もしや



次回へつづく