ムラサキシジミ越冬集団

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3頭のムラサキシジミ

 

 

 仙台周辺では、成虫越冬をするシジミチョウはウラギンシジミとこのムラサキシジミだけですが、関東以南では、ルーミスシジミ、ムラサキツバメがいて、面白いことに、ムラサキシジミ属の3種とも、集団を作って越冬する様子がしばしば観察されます。特に顕著な集団を作るのがムラサキツバメで、数頭から時には4・50頭の集団を作ることもあるそうです。ルーミスシジミも、ムラサキツバメほど多数の個体ではないが数頭の越冬集団がしばしばみられるそうです。

 

 3種の中では一番身近にいるムラサキシジミは、案に相違して越冬集団の観察例が少ないようで、私が他所の方のブログで見かけたムラサキシジミの越冬集団の観察例は2例だけでした。

 とはいえ、ムラサキツバメの集団の中にムラサキシジミがまじっている場面は結構見かけますので、ムラサキシジミが集団の嗜好性を持っていることは間違いないようです。

そんなわけで、個体数が決して多いわけではない仙台周辺で、ムラサキシジミの越冬集団を観察できるとは思ってもいませんでしたが、先日、ムラサキシジミが数頭まとまっている塒(ねぐら)を見つけました。

塒というわけは、毎日活動時間を過ぎると、決まって同じ場所に戻ってくるからです。たまたま落ち葉や葉の茂り方、日陰の状態などが彼らの好みに合うためにこの場所が塒になったものでしょうが、それにしても、偶然この場所に集まったという感じではなく、活動を終えた蝶が殆ど何の迷いもなくこの場所目指して一目散に飛んでくるように見えます。彼らはこの同じ場所でこの冬を過ごすのでしょう。

 

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日光浴をする♀。塒に戻る前に、十分に日光を浴びるようです。


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おもむろに飛んだかと思うと、前の日に止まっていた同じ枝に引っかかった枯葉に身を潜めました。

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同じ枯葉に、次々に2頭が飛んできました。

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3頭が同じ向きを向いて仲良く整列。

 

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林内のあまり日の当たらない枝に引っかかった枯葉が彼らの寝床。

 

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たまたまネズミモチの常緑の葉の間に引っかかった枯葉なので、果たして冬の間、大丈夫なのかと心配です。

冬越しの蝶たちにとっては、越冬場所が安定した安全な場所かどうかは重大問題です。もし、雪が降り、運悪く枯葉が地面に落ちてしまえば、蝶たちは低温で動くこともできず、そのまま地面の上で死んでしまうほかはないでしょう。

雪が多い年は、ムラサキシジミのような暖温帯性のチョウの越冬死亡率はかなり高いと言われています。この3頭が無事越冬できることを願わずにはいられません。