ベトナム観光のついでに

年末年始をベトナムで過ごしました。

普通の観光パック・ツアーなので、つまらないお土産店や市場で過ごす時間などは結構あるのですが、自由時間というものがなく、せっかく南国に出かけたというのに、蝶の写真撮影はほとんどできずじまいでした。
それでも、ホーチミンで、メコン川中洲でのほんの15分程度の自由時間や、ハロン湾クルーズで立ち寄った島での散策の途中、それに旅の最終日にやっとできたハノイでの2時間程度の自由時間で、何種類かの蝶と出会うことができました。

季節が冬ということもあり、また都市部郊外などは見渡す限りの田畑、ヤシ園、バナナ・マンゴーなどの果樹園が延々と続いていて、自然林などはほとんど見られず、したがって蝶の姿をまずほとんど見かけませんでした。
撮影できた蝶は、すべて東南アジアの最普通種というべきものばかりですが、迷蝶として偶然飛来するものを除けば、日本では見かけることが出来ない蝶もいて、ツアーのわずかな空き時間でいくらかでも撮影できたことは幸運でした。

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夜のホーチミン市
ベトナム戦を勝ち抜き、南北統一を果たして今年で40年目になるということで、盛大なイルミネーションが通りを飾っていた。ここは北朝鮮か?とサッカクしそうな派手なアッピール。
でも、ベトナムはドイ・モイ政策による市場開放で、人々は明るく開放的。
イデオロギー過剰の抑圧的な雰囲気は感じられませんでした。

ベトナムと言えば、観光地として世界的に名高いのが、北東部にあるハロン湾ですが、ここには世界中から観光客が訪れているようです。
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ハロン湾の日の出。
入り江からはるかに奇岩、奇島の影が霞んで浮かぶ。

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まるで湖のように穏やかな波の上を、6時間のクルーズ

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石灰岩の切り立った200mもの岩島が直接海面から垂直に林立するさまは、まるで夢幻の景色に入り込んだような気がします。

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ハロン湾内にある島で見かけた美しい鳥 ツグミの仲間かな?
どなたかご存知の方、教えてください。



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ベトナムを訪れる者にとって、忘れてはならないベトナム戦争の傷跡。
ベトナム各地に、米軍との戦闘で破壊された歴史遺跡や建造物が散見されますが、ホーチミン市にある「戦争証跡博物館」にはその生々しい記録が保存・展示されていました。

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ベトナム戦争では、ベトナム人は南北合わせて300万以上の人が亡くなったそうです。

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日本人の戦争報道記者の業績も展示されていました。

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米軍の枯葉作戦。
英語がお分かりの方は、是非読んでください。w

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枯葉剤の惨状
ベトナム中部の山岳地帯は、生物多様性の豊かさでも、インドシナ屈指の地域でしたが、その森林を丸裸にする作戦が行われたそうです。
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日本語によるキャプション

この枯葉剤によって、どれほどの人的被害がでているのか、目をそむけたくなるような残酷な写真などが多数展示されていて、見ているのが辛くなりますが、人への影響は言うまでもなく、それ以上に野生の動植物に対する影響がどれほどのものなのか、想像することさえ恐ろしいものがありました。

ってわけで、ベトナムという国は、わたしにとっては沖縄もそうですが、単に観光地として通り過ぎるわけにはいかない、その傷ついた歴史も含めて接していかねばと思う場所のひとつです。

わずかに撮影のチャンスがあった蝶のほうは、次回にご紹介したいと思います。