ゼフィルス 追いかけ日記 5 - フジミドリシジミとウラキンシジミ -
ゼフ追っかけシリーズ5回目は、フジミドリシジミとウラキンシジミです。
今年ゼフィルスを追いかけるにあたって、仙台近郊では難題となりそうだな、と感じていたのは、
★ フジミドリシジミとウラキンシジミが確実に撮影できるポイントを探し当てる
ということでした。
ウラキンシジミは、採集記録などを見る範囲では、仙台近辺のあちこちで沢山の記録があり、低山~深山まで広域に生息していると思えます。
20年前、今の居住地に引っ越してきた年に、なんとうちのすぐ裏でウラキン♂がフェンスに止まっているのを見付けました。すぐ目の前にはヒメギフの発生地があり、オオムラサキの付くエノキの大木が沢山あり、おまけにウラキンまでいるところに引っ越してきたと、その恵まれた環境に感謝したものでした。
ところが、ウラキンを目撃したのは、その時一回きりで、その後20年間は全く姿を見ることができません。
あの時のウラキンは偶然迷い出てきたものだったのでしょうか。
仙台市郊外に、有名な湿地があり、そこにはデワノトネリコが沢山生えています。
この場所には、5・6年前までは多数のウラキンがいたらしいのですが、なぜかこの数年ほとんど姿を見ることができません。 また、周辺の低山にはごく普通にコバノトネリコが生育していて、ウラキンがいてもおかしくない環境が広大に続いていますが、数年に一度、偶然に姿を見かけるぐらいで、確実に撮影できるポイントなど考えも及ばない感じです。
一方、フジミドリシジミはブナとイヌブナに依存しているので、その生息地の鬱蒼たる深山の、背丈20mを越える巨木の梢で飛ぶこの蝶をどうやって写すことが出来るのか、サッパリ妙案が浮かんできません。
フジミドリの近接写真をアップしているブログを拝見すると、どうも高い位置からブナを眼下に臨むようなロケーションが写真撮影にはいいようです。
ブナの梢を上から見下ろせる場所・・・深い渓谷に差し掛けられた橋・・・
そうか!と言うわけで、宮城~秋田の県境をまたぐ国道108号線の橋を思いつきました。
2時間近くかけて県境まで偵察に行ってみると、案の定、割と近くまでブナの枝先が伸びているような橋が数か所見つかりました。
橋の上からこれはよさそうだと思って眺めていると、チラチラと緑と銀色に光る小さな蝶を発見!
フジミドリシジミ、やっぱりいました。
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
深い渓谷を横切る道路に架けられた橋から、一番近くのブナの大木にいた♂を発見。
極めて新鮮な♂です。
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
重なり合うように茂ったブナの新葉に、まだらにかかる光が美しい。
橋からブナの枝先まで距離があり過ぎて、ズームレンズを最大に伸ばしてもこの大きさ。 泣;
フジミドリシジミ♂ 2015/06/15 秋田県湯沢市
これが最も近くに来た時のショット。
カメラの「テレコンズーム4倍」機能を使って拡大してみた。
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
デジタルズームでは、どうしてもコントラストや彩度、精細感は失われてしまうようです。
県境はあまりに遠すぎるので、仙台市内のブナ林をあたってみると・・・
フジミドリシジミ♂ 2015/06/29 仙台市青葉区
フジミドリシジミ♂ 2015/06/29 仙台市青葉区
仙台市内でフジミドリシジミを探すと、こんな距離からしか撮れない・・・泣;
大きく鮮明に撮るには、何としても距離が遠すぎます。
フジミドリの近接撮影が出来るポイントはいったいどこにあるのか途方に暮れていました。
ところが・・・
7月上旬、ほかのミドリシジミを撮影に出かけたとき、下の地面に何か小さな蛾のようなものがいます。よくよく見ると、ボロボロの翅が濃い青紫色に輝いていました。
飛び古したフジミドリが地面に吸水に来ていたのです。
フジミドリシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
翅の破れ方が尋常ではないほどに飛び古した♂
それでも青い銀紙のように光を反射している。
フジミドリシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
高いブナの梢から下草に降りてきた別の♂
やはりもう、ボロボロ 汗;
数日後、今度は♀が現れました。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
見慣れぬやや小型のゼフ・・なんと初めて見るフジミドリの♀です。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
つづいて別のメスも下草に降りてきた。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
光のスポットを浴びたフォトジェニックな美人さんです。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
O型♀。
身体に日が当たると、翅を開いて見せてくれた。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
下草に舞い降りたこの♀は、更に地面に降りて吸水を始めた
ボロボロになったオスに比べて、♀のこの綺麗なこと。
フジミドリシジミ♂ 2015/07/13 仙台市青葉区 フジミドリシジミ♂ 2015/07/13 仙台市青葉区
この時期にしては、比較的綺麗な♂が姿を見せてくれた。
日の当たる下草の葉に、梢からこぼれるようにして降りてくる。
残念ながら表の青い輝きを見ることは叶わなかった。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/13 仙台市青葉区
この日も数頭の♀が出てきていた。
フジミドリシジミ♂(左)・♀(右) 2015/07/13 仙台市青葉区
別の♀に、♂が絡んだ。
♂と♀のツーショットですが、どちらも頭隠して尻隠さずなのが、ちと残念。笑
こうしたフジミドリシジミの吸水行動は、噂には聞いていましたが、目にするのは初めてでした。
普段は遥か手の届かないブナの巨木にいる蝶が、次々と目の前に降りてくるのを見るのはオドロキです。
フジミドリの出現に驚ろく間もなく、この辺りでは、日中ほとんど目にすることのないウラキンシジミまでが、この水場に次々と姿を現しました。
今年ゼフィルスを追いかけるにあたって、仙台近郊では難題となりそうだな、と感じていたのは、
★ フジミドリシジミとウラキンシジミが確実に撮影できるポイントを探し当てる
ということでした。
ウラキンシジミは、採集記録などを見る範囲では、仙台近辺のあちこちで沢山の記録があり、低山~深山まで広域に生息していると思えます。
20年前、今の居住地に引っ越してきた年に、なんとうちのすぐ裏でウラキン♂がフェンスに止まっているのを見付けました。すぐ目の前にはヒメギフの発生地があり、オオムラサキの付くエノキの大木が沢山あり、おまけにウラキンまでいるところに引っ越してきたと、その恵まれた環境に感謝したものでした。
ところが、ウラキンを目撃したのは、その時一回きりで、その後20年間は全く姿を見ることができません。
あの時のウラキンは偶然迷い出てきたものだったのでしょうか。
仙台市郊外に、有名な湿地があり、そこにはデワノトネリコが沢山生えています。
この場所には、5・6年前までは多数のウラキンがいたらしいのですが、なぜかこの数年ほとんど姿を見ることができません。 また、周辺の低山にはごく普通にコバノトネリコが生育していて、ウラキンがいてもおかしくない環境が広大に続いていますが、数年に一度、偶然に姿を見かけるぐらいで、確実に撮影できるポイントなど考えも及ばない感じです。
一方、フジミドリシジミはブナとイヌブナに依存しているので、その生息地の鬱蒼たる深山の、背丈20mを越える巨木の梢で飛ぶこの蝶をどうやって写すことが出来るのか、サッパリ妙案が浮かんできません。
フジミドリの近接写真をアップしているブログを拝見すると、どうも高い位置からブナを眼下に臨むようなロケーションが写真撮影にはいいようです。
ブナの梢を上から見下ろせる場所・・・深い渓谷に差し掛けられた橋・・・
そうか!と言うわけで、宮城~秋田の県境をまたぐ国道108号線の橋を思いつきました。
2時間近くかけて県境まで偵察に行ってみると、案の定、割と近くまでブナの枝先が伸びているような橋が数か所見つかりました。
橋の上からこれはよさそうだと思って眺めていると、チラチラと緑と銀色に光る小さな蝶を発見!
フジミドリシジミ、やっぱりいました。
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
深い渓谷を横切る道路に架けられた橋から、一番近くのブナの大木にいた♂を発見。
極めて新鮮な♂です。
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
重なり合うように茂ったブナの新葉に、まだらにかかる光が美しい。
橋からブナの枝先まで距離があり過ぎて、ズームレンズを最大に伸ばしてもこの大きさ。 泣;
フジミドリシジミ♂ 2015/06/15 秋田県湯沢市
これが最も近くに来た時のショット。
カメラの「テレコンズーム4倍」機能を使って拡大してみた。
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
フジミドリシジミ♂ 2015/06/13 秋田県湯沢市
デジタルズームでは、どうしてもコントラストや彩度、精細感は失われてしまうようです。
県境はあまりに遠すぎるので、仙台市内のブナ林をあたってみると・・・
フジミドリシジミ♂ 2015/06/29 仙台市青葉区
フジミドリシジミ♂ 2015/06/29 仙台市青葉区
仙台市内でフジミドリシジミを探すと、こんな距離からしか撮れない・・・泣;
大きく鮮明に撮るには、何としても距離が遠すぎます。
フジミドリの近接撮影が出来るポイントはいったいどこにあるのか途方に暮れていました。
ところが・・・
7月上旬、ほかのミドリシジミを撮影に出かけたとき、下の地面に何か小さな蛾のようなものがいます。よくよく見ると、ボロボロの翅が濃い青紫色に輝いていました。
飛び古したフジミドリが地面に吸水に来ていたのです。
フジミドリシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
翅の破れ方が尋常ではないほどに飛び古した♂
それでも青い銀紙のように光を反射している。
フジミドリシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
高いブナの梢から下草に降りてきた別の♂
やはりもう、ボロボロ 汗;
数日後、今度は♀が現れました。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
見慣れぬやや小型のゼフ・・なんと初めて見るフジミドリの♀です。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
つづいて別のメスも下草に降りてきた。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
光のスポットを浴びたフォトジェニックな美人さんです。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
O型♀。
身体に日が当たると、翅を開いて見せてくれた。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
下草に舞い降りたこの♀は、更に地面に降りて吸水を始めた
ボロボロになったオスに比べて、♀のこの綺麗なこと。
フジミドリシジミ♂ 2015/07/13 仙台市青葉区 フジミドリシジミ♂ 2015/07/13 仙台市青葉区
この時期にしては、比較的綺麗な♂が姿を見せてくれた。
日の当たる下草の葉に、梢からこぼれるようにして降りてくる。
残念ながら表の青い輝きを見ることは叶わなかった。
フジミドリシジミ♀ 2015/07/13 仙台市青葉区
この日も数頭の♀が出てきていた。
フジミドリシジミ♂(左)・♀(右) 2015/07/13 仙台市青葉区
別の♀に、♂が絡んだ。
♂と♀のツーショットですが、どちらも頭隠して尻隠さずなのが、ちと残念。笑
こうしたフジミドリシジミの吸水行動は、噂には聞いていましたが、目にするのは初めてでした。
普段は遥か手の届かないブナの巨木にいる蝶が、次々と目の前に降りてくるのを見るのはオドロキです。
フジミドリの出現に驚ろく間もなく、この辺りでは、日中ほとんど目にすることのないウラキンシジミまでが、この水場に次々と姿を現しました。
ウラキンシジミ♂ 2015/07/11 仙台市青葉区
暗色型の♂。ややスレ気味だが、翅の形はしっかりとしている
ウラキンシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
擦れもあまりない、明色型のとても綺麗な♂
下草と水場の辺りをちょんちょんと飛び回る。
ウラキンシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
ウワバミソウの葉上に降りた同♂
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
♀もやってきた。
♂に比べて、金色が明るく、翅全体が広く厚みがあり、大きい。
ピッカピカの綺麗な個体です。
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
吸水を終えると、近くの背の低い草の葉上に止まった。
ウラキンシジミ♂ 2015/07/11 仙台市青葉区
♂も近くの草の間を移動する
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
下草の葉の間をちょこちょこと飛んで、いい場所を物色中の♀
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
お気に入りの場所に止まると、
葉の表から茎を伝って、葉の裏へ
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
目立たぬ葉の裏に静止し、静かに日中を過ごす
フジミドリシジミ♀(左)、ウラキンシジミ♀(右) 2015/07/12 仙台市青葉区
異種ツーショット!
こんなわけで、フジミドリシジミとウラキンシジミが次から次へと集まってくるポイントがあることが判り、難関と思っていた二つの種の問題はあっけなく解決してしまいました。
フジミドリシジミは、♂は今年は新鮮なシーズンに間に合いませんでしたが、来シーズンが楽しみです。
暗色型の♂。ややスレ気味だが、翅の形はしっかりとしている
ウラキンシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
擦れもあまりない、明色型のとても綺麗な♂
下草と水場の辺りをちょんちょんと飛び回る。
ウラキンシジミ♂ 2015/07/08 仙台市青葉区
ウワバミソウの葉上に降りた同♂
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
♀もやってきた。
♂に比べて、金色が明るく、翅全体が広く厚みがあり、大きい。
ピッカピカの綺麗な個体です。
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
吸水を終えると、近くの背の低い草の葉上に止まった。
ウラキンシジミ♂ 2015/07/11 仙台市青葉区
♂も近くの草の間を移動する
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
下草の葉の間をちょこちょこと飛んで、いい場所を物色中の♀
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
お気に入りの場所に止まると、
葉の表から茎を伝って、葉の裏へ
ウラキンシジミ♀ 2015/07/11 仙台市青葉区
目立たぬ葉の裏に静止し、静かに日中を過ごす
フジミドリシジミ♀(左)、ウラキンシジミ♀(右) 2015/07/12 仙台市青葉区
異種ツーショット!
こんなわけで、フジミドリシジミとウラキンシジミが次から次へと集まってくるポイントがあることが判り、難関と思っていた二つの種の問題はあっけなく解決してしまいました。
フジミドリシジミは、♂は今年は新鮮なシーズンに間に合いませんでしたが、来シーズンが楽しみです。