今日の一枚 - ヒメアカタテハ -

 南極を除くすべての大陸に分布し、小さな島でもよく目にすると言われる、いわばグローバリズムの先駆者 w。

 そんな蝶であっても、私が育った雪国の秋田では、晩秋に数年に数えるほどの頻度でしか目にすることがなかったので、私にとっては、特別な思いが籠った蝶のひとつです。
 最近は、温暖化で昔よりは個体数も多くなっているのかも知れません。
 最初に抱いた印象と言うものは抜きがたく心に残るもので、いまだに秋も深まってあちこちでヒメアカタテハの姿を見るとついカメラを向けずにはいられません。

 5年ほど前に台湾に初めて蝶の撮影に出かけたときも、他に台湾ならではの蝶が沢山いるというのに、ついついヒメアカタテハやら、同じように私にとっては因縁の深いアサギマダラの写真を撮っていました。笑

 兄貴分とでもいうべきアカタテハは、秋田にも沢山いて、アカソの群落周辺で卵を産む♀の姿をよく目にしたものですが、アカタテハという割には、黒い模様の部分も大きくそれほど綺麗だとも思っていませんでした。
 写真を写すようになってアカタテハを見直してみると、その赤と黒の配分と調和の見事さに改めて感動したのですが・・。
 その点、ヒメアカタテハアカタテハの後翅の黒色部分がほとんどオレンジ色で、小型なせいもあってより明るく陽気な感じのする、私にとっては秋田在住当時の感覚がいまだに抜きがたい、好きな蝶です。

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ヒメアカタテハ 2015/11/17 仙台市青葉区

ヤマトシジミの蒼♀のシーズンも終わり近く、ムラサキシジミの姿を求めて近くの雑木林を散策していると、
咲き残りのアメリカセンダングサで一生懸命に吸蜜する♀がいた。
どこにも翅の汚れや欠損のない綺麗なヒメアカ。
秋色濃い緑の少なくなった褐色がかった背景の中に、同系色のオレンジと黒のコントラストが調和して美しい。