ヒメシジミの美麗型
5月に台湾に出掛けたとき、3種類の蝶の異常型に遭遇しました。
そのうちの一種は、とても異常型とは思えない「傑出」した異常型で、ほとんど新種ではないかと思われるほどの美しいものでした。(いずれこのブログでアップしたいと思っています。)
異常型というくらいですから、元になる蝶の姿からどこか過剰に発達した、または減退した紋様や色、翅形などの個体のことです。もともとの姿から見ると、何かしらアンバランスで、ちぐはぐな印象が否めません。まさしく、異常という感じがするものです。
通常昆虫同好誌などで報告されるようなものは、色彩異常や過剰斑紋や減退斑紋のことが多く、一目見て異様な感じがしますが、なかには、元来持っているその種の基本的紋様パターンを美的に損なうことなく、バランスよく過剰表現として現れるものがいます。
地域個体群の個体変異の範囲内で、もっとも振れ幅の大きいところが出た個体。これは、異常型というよりは、その場所で発生する最も美しい個体、と言いたいようなもののことです。ギフチョウ類で言えば、赤上がりとか、イエローバンド、イエローテイル、カラスシジミ類の流れ紋、というものもこれです。
先日、ヒメシジミを撮影していた時、翅裏の赤紋が良く発達した美しい♂がいました。異常型というより、このポイントに出る最も美しい個体の一つ、といっていいかもしれません。
とても美しい♂です。
翅の表は他の♂と全く同じですが、羽化直後と見えて、とても新鮮です。