カタクリのない発生地で - ヒメギフチョウ -

 待ちに待った、ヒメギフチョウの季節。
 今年の初見は、今までになく早かった昨年からさらに3日も早い、3月25日。
 毎年の暖冬が蝶の発生時期をどんどん前に進めていくようです。

 2月に雪が降らなかったせいで、いつもなら残雪の影響で羽化がズレるあちこちの発生地が、ほとんど同じ時期になっているのも、今年の際立った特徴に思えます。
 去年、わずかなカタクリの前で待ち構えていればヒメギフが目の前に現れた絶好の撮影ポイントでは、周囲の樹が伐採されてしまい、今年はカタクリが衰弱して、ほとんど花がありません。
 ヒメギフたちはカタクリの代わりに、ほかの花を見つけて吸蜜していました。
 カタクリが豊富なところでは、普通ならほとんど見向きもしない花に訪れるヒメギフの珍しい姿を見ることができ、いいことなのか悪いことなのか、ちょっと複雑な気分です。


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2016/03/27 仙台市青葉区
今まさに蛹から羽化して羽を伸ばし、初飛行した直後と思われるような、みずみずしい♂。


イメージ 32016/03/28 仙台市青葉区
上の2枚とは別の発生地で。
いつもなら数日から1週間ほど発生日がズレるのだが、今年はほとんど一斉に出始めた。

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2016/03/28 仙台市青葉区
このポイントはヒメギフとしては非常に珍しい平地の発生地。

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2016/03/29 仙台市青葉区
普段はほとんど訪花することのないオオイヌノフグリで吸蜜。
明るい青色が美しいので、いつかはこの花にくる姿を・・・と願っていたのですが、
今年はカタクリがないため、思いもかけず撮影することができました。


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2016/03/29 仙台市青葉区
何度かオオイヌノフグリから飛び上がる瞬間を狙いましたが、ピントがうまく当たったのは数枚のみ。

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2016/03/29 仙台市青葉区
すこしピントの中心から外れていますが・・・無理やり許容範囲ということで 汗;


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2016/03/29 仙台市青葉区
黄色の花で吸蜜。
キバナノアマナです。
ヒメギフは、オオイヌノフグリよりもキバナノアマナが好きのようです。


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2016/03/29 仙台市青葉区
春の暖かさを感じさせる、キバナノアマナの草自体の姿の良さ。
切れ長の細い葉と花びらが繊細で、同系色のヒメギフチョウとの取り合わせが素晴らしい。

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2016/03/29 仙台市青葉区
芝生のように低い草丈に埋もれるようにして夢中で蜜を吸う。

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2016/03/29 仙台市青葉区
オオイヌノフグリのじゅうたんの中で、なにやらゴソゴソ・・

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2016/03/29 仙台市青葉区
交尾カップルでした。
なんともう、メスも出ています。

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2016/03/29 仙台市青葉区
2頭のヒメギフの重みを支えきれない草むらでは、交尾カップルも落ち着きがなく、
もぞもぞとはい回っているうち、やっと固い落ち葉の茎の上に落ち着きました。

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2016/03/29 仙台市青葉区
そして、梅の花にもやってきました。
ギフチョウならばよく見かけるシーンですが
ヒメギフが梅で吸蜜する姿を見たのは初めてです。


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2016/03/29 仙台市青葉区
抜けるような青空をバックに・・・と思っているうち、
この雄はほんの数十秒、この梅の木で遊んだだけで、また地面に降りて行ってしまいました。

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2016/03/29 仙台市青葉区
吸蜜を終え、お腹一杯になったところで、しばしのレストタイム。
この後は、メス探索モードでほとんど止まることもなく飛び回り、この日は撮影も終了となりました。