やっと、ギフチョウ

 今年は、神奈川も新潟も2週間ほども早いというギフチョウ便りを聞きながら、深雪地帯のギフの発生を今か今かと待ち構えていましたが、先日やっと出かけることができました。
 今回は、ギフチョウヒメギフチョウをぜひ撮影したいという遠方からのお客様を案内しなlがらの撮影。
 昨年山形の現地で知り合ったカメラマン(蝶マニアにあらず)Tさんと合流して、ポイントに向かいました。

 あいにく当日は寒気団南下の影響で、風が冷たくて天気も芳しくなく、ギフチョウが飛ぶかどうか危ぶまれる天候でしたが、ゲストの方たちが滞在中にわずかでも可能性のある日は、雨が確実に降るという日を除いたこんな曇りの日でも出かけます。汗;

 ときどき厚い雲の隙間から薄日が差すこともありますが、如何せん気温が上がりません。
 これはダメかと思っていると、お昼ごろになってやっと数頭のギフチョウが現れてくれました。
 しかし、いい写真は撮れずじまい。
 そこで、ここのポイントを諦めて、切り上げることにしました。

 帰宅途中、Tさんが昨日ここでギフを見たという、カタクリが咲いている場所で、花の撮影をすることにしました。すると・・・現れました、ギフチョウ

 夢中になって急な斜面を駆け上がり追いかけます。
 斜面を登り切って、反対側の斜面をみると、コシノカンアオイが点々と生育しています。
 ははぁ、ここが発生地だなと踏んで待っていると、つぎつぎにギフチョウが姿を現しました。
 カタクリの生育している場所が狭く、限定されているので、この近辺にいる多くのギフチョウはこの斜面に飛来してくるような場所で、撮影にはとても好都合なポイントのようです。

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2016/04/18 山形県鶴岡市

湿潤な土壌に生育する深雪地帯のカタクリは、仙台周辺の太平洋側のカタクリと比べて花が大きく、群落も密になるため、その美しさには目を奪われます。


 このポイントには、深雪地帯特有のファウナを構成する植物の一つであるユキツバキがたくさん生えていて、遅れ咲きの赤い花が咲いていました。

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2016/04/18 山形県鶴岡市

 一頭のギフチョウが飛んできたかと思うと、このユキツバキに頭を突っ込んで吸蜜を始めました。



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2016/04/18 山形県鶴岡市

ギフチョウは赤いツツジにも飛来するので、椿の赤い色に引き付けられるのは不思議ではないのかもしれませんが、私にとっては珍しい光景でした。

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2016/04/18 山形県鶴岡市

山形のギフにしてはやけに黒いような気がする♂。
ヒメギフばかり見慣れているせいでしょうか。汗;


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2016/04/18 山形県鶴岡市

曇り空の薄い日差しのなか、何頭かが吸蜜に訪れた。
この♂は明るい典型的な山形タイプ。



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2016/04/18 山形県鶴岡市

産卵のため、あちこちの草に触れて歩く♀。
新鮮なクリーム色が美しい。


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2016/04/18 山形県鶴岡市



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2016/04/18 山形県鶴岡市

カタクリギフチョウの定番写真。汗;
とはいえ、何度見ても美しい光景ですね。


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2016/04/18 山形県鶴岡市

新鮮な、面白い色合いの♀が現れた。
全体に黄色みが強く、前翅の中室から下端にかけて2条の黄色部分が特に濃い黄色で褐色がかっています。
サイズも特大で、羽全体ががっしりとして力強く、堂々とした感じがする素晴らしい個体でした。

曇天で時折冷たい強風の吹きすぎるコンディションのなかで、それなりに満足のいく撮影ができた一日となりました。