台湾の代置種に会いにいく - タニカドミドリシジミ ー
今回の台湾撮影行での目標の一つは、日本の各種ゼフィルスの台湾の兄弟たちに会うことでした。
台湾にブナ林があること自体が驚きですが、寒冷期の大陸と地続きだったころに台湾や日本に分布してきたのが、いまも高山に遺存しているものと考えられています。
その台湾ブナに、フジミドリシジミと同類のゼフがいるという事にも驚かされます。
そもそも日本のフジミドリシジミの撮影自体がなかなか難物です。私が知っている確実にフジミドリシジミを撮影できる場所は、宮城に2か所、岩手・秋田・山形に1か所で、それも高い梢から下降してくるのは、ある特定の気象条件が合致した時だけに限られます。
ブナは大木が多く、蝶はその多くの時間を高い樹上で過ごすものと思われます。
ブナは大木が多く、蝶はその多くの時間を高い樹上で過ごすものと思われます。
メスは産卵のため、しばしば下に降りてきますが、オスの撮影は関東の某ポイントのように地形的に恵まれている場合は別として、日中はまず不可能といっていいのではないでしょうか。
聞くところによると、標高1500~2000mあたりにわずかに残る台湾ブナも大木で、タニカドミドリシジミの撮影をしたことがある人はごく限られるといいます。
今回台湾北部にある台湾ブナの生育地に案内してくれた林さんもその数少ない一人だそうですが、今回は、林さんのご友人も同行し、なんとその方が証拠写真レベルではありましたが、わずかな晴れ間に写真撮影に成功してしまいました。
私は残念ながら、タニカドミドリが高いブナの梢を飛ぶ姿を遠くから指を咥えて眺めるだけで、撮影自体ができませんでした。
今回台湾北部にある台湾ブナの生育地に案内してくれた林さんもその数少ない一人だそうですが、今回は、林さんのご友人も同行し、なんとその方が証拠写真レベルではありましたが、わずかな晴れ間に写真撮影に成功してしまいました。
私は残念ながら、タニカドミドリが高いブナの梢を飛ぶ姿を遠くから指を咥えて眺めるだけで、撮影自体ができませんでした。
20mを優に超すタイワンブナの中枝に静止する♀。
だいぶ翅が擦れている様子からして、発生盛期は5月中旬ごろと思われます。
寒冷期に大陸と地続きだった時代に、台湾に分布を広げましたが、今は標高1500m以上のごく一部の高山に遺存的に生えるタイワンブナ。多くは、日本の占領時代に切り倒され、痕跡程度に残されたこの森林は、いま台湾・林務局によって厳重に保護されているそうです。
タイワンブナの葉。
日本のブナよりも小さい細かい葉っぱで、可愛い感じがする。
一見すると、ケヤキに似ている。
この日、タニカドミドリを撮影に来た台湾の研究者の面々。
タイワンブナを背景に記念写真を撮らせていただきました。
右がこの日、タニカドの写真撮影に成功された石氏。
真ん中が、林さん。
左は、生物写真書籍専門の出版社の方。