ヒメギフシーズンも終盤に
今年のヒメギフチョウは、2月、3月前半の異常な暖冬、3月後半の異常な寒暖の繰り返し、また4月の季節外れの寒波に見舞われ、発生時期がかく乱されたり、足止めを喰らったりで、彼らにとっては大変なシーズンだったと思います。
早い発生をしてきた低山地帯の発生地では、途中の降雪で著しく数を減じたものの、奥山の発生地では雪のあとから羽化する個体も多く、何とか平年並みの個体数を維持できたところもあったようです。
それでも、仙台近郊の有名なポイントでは、相変わらず採集者の多さに閉口します。
県内・県外問わず、採集者たちがなぜこれほど特定地域に集中してやってくるのか。どれほど環境に恵まれた発生地であろうと、毎年の採集圧にさらされては蝶の影が薄くなるのも当然ではないでしょうか。
写真撮影を楽しんでいるものにとって、蝶の数が減るということは、その分、撮影チャンスを失い、一年一度の楽しみを奪われることになります。
以前は採集行為についてそれほど神経質に考えていたわけではないのですが、最近は、とりわけ昨年のツマジロウラジャノメのポイントを壊滅された苦い経験もあり、ネットを手にした人を見ると気が滅入ります。
まだ経験の浅い若い人ならともかく、蝶に限らず、昭和生まれの昆虫少年たち(現在の60代から70代のリタイア爺さんたち)が、40年を経て、未だに採集の快感に浮かされている様子を見ると悲しくなります。
愚痴はともかく、定番の交尾と産卵シーンで今年のヒメギフはめどをつけて、次のターゲット・ギフチョウの探索へと移っていきたいと思っています。
交尾を終えて一息ついている♀。
交尾のお相手♂。
ここのポイントにしてはやや黒味の強い個体だった。
食草の周りをうろうろと飛び、産卵の挙動を見せる♀
近くのサイシンに移っては、また別の株をチェックする
前足でサイシンの葉に触れ、産卵植物であるかどうかを確かめている
食草をチェックして、なおも小刻みに飛んでは別の食草に移っていく
産卵前行動を開始して約15分
やっと葉裏に止まって動きを止め,産卵を始めた
この♀は、10~15分ほどかけて一卵塊を産み付けた。
この卵たちが無事育って、来年もまた変わらぬ元気な姿を見せてほしいものですね。