秋晴れのもとで  - ウラギンシジミ

東北は、9月に入ると蝶の姿もめっきり減り、夏の盛りを過ぎて産卵に忙しいヒョウモン類、アゲハ類の♀や、3化の普通種シジミキタキチョウの新しい姿のほかは、成虫越冬のタテハ類ばかりとなってしまいます。

そんな中で、ウラギンシジミは雑木林のぽっかりと空いた空間に生い茂った葛や藤のマント群落の上を、我が物顔に飛び回っています。
ウラギンシジミは普通種とはいえ、大好きな蝶のひとつです。
名の通り翅の裏側の真っ白い鮮やかさが印象的で、♂の赤茶色と♀の水色がかった灰色のそれぞれの色合いも美しく、シジミの中でも大きくて見ごたえがあります。
紋様はほかの日本産シジミチョウ類とは全く異相で、日本にはいないシジミタテハの仲間にむしろ近い種類と思えます。
フラッシュが明滅するように白さをきらめかせながら、林の空間を素晴らしい速さで飛ぶウラギンシジミの姿は、秋の晴れ渡った青い空によく調和して、見るたびに心を浮き立たせてくれます。
自宅近くにある葛や藤の藪で、秋の蝶・ウラギンシジミを追いかけてみました。


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2014/09/25
新鮮な♂が下草に降りていた。

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2014/09/25
この♂は、両翅を開いてフェルトのような柔らかい色合いの意匠を惜しげもなく見せてくれた。

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2014/09/25
しばらく下草のあちこちを飛び回ったかと思うと、草むらの中に潜り込んだ
みると、何かの排泄物に惹かれていたようだ

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2014/09/26
求餌以外の時は、♂は開けた空間の突出した枝の上でテリトリーを張っている
止まっている葉はコウゾ

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2014/09/26
他の♂がテリトリー内に入ってくると激しく追いかける

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2014/09/26
メクラブドウの葉上からスクランブル発進する♂


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2014/09/28
コウゾの葉裏に身を隠している個体がいた


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2014/09/28
小刻みに小空間を飛んでは止まるを繰り返している。
♂のようなテリ張りの様子とは違うので、よくみると♀だった

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2014/09/26
民家の庭に植えられたシュウカイドウに止まったオスに、ボロボロのヤマトシジミの♂が絡んできた。

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2014/09/26
高いヤマボウシの梢から出撃する♂

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2014/09/26
アップで




おまけ
ウラギンシジミの撮影の合間にこんなものも現れた

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2014/09/28
ヒメクロホウジャク 日中、花に来てホバリングする姿が可愛らしい

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2014/09/28
夏の生き残りのコミスジ♀ 一部破損しているものの、まだまだ綺麗な翅でした。